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『居酒屋ゆうれい』(いざかやゆうれい)は、1994年公開の日本映画。 原作は山本昌代の同名小説(河出書房新社・刊)を元に、萩原健一、山口智子、室井滋を迎え居酒屋を舞台に繰り広げられる幽霊(前妻)と飲み屋のご主人(主人公)と後妻の一風変わった三角関係を描いた喜劇映画。 2年後の1996年に同じ監督の渡邊孝好と脚本家の田中陽造の元、ほぼ同じ設定でキャストと舞台を一新して映画化された『新・居酒屋ゆうれい』が公開される。『新・居酒屋ゆうれい』は続編ではなくリメイクという位置づけである。 == あらすじ == 横浜、反町にある居酒屋「かずさ屋」を営む主人の荘太郎(萩原健一)は、女房のしず子(室井滋)を病院から自宅に連れて帰って来た。もはや、余命幾許もない事を知っていたからである。それは、しず子本人も気づいており、ある日、看病する壮太郎に、自分が死んだらひとりじゃ店を切り盛りするのは大変だろうから新しい女と一緒になるんだろうと尋ねると、壮太郎は、新しい女と一緒になる気はないと答えた。しず子は、もし嘘をついて他の女と結婚したら、十万億土から戻って来て化けて出てやると冗談とも本気ともとれるような言葉を残して、翌朝息絶えるのであった。 葬式が済み、独り身では忙しい毎日を過ごしていた壮太郎に、兄(尾藤イサオ)が見合いをしないかと女の写真を置いて行く。最初は興味のなかった壮太郎だが、その写真の女が、店の前をうろついたり、休日、浜に釣りに出かけた壮太郎の前にわざとらしく現れるのを観て、興味を覚え、一回会ってみる事にする。 その席で、彼の事を好きになってしまったと素直に告白する里子(山口智子)の気性に惚れた壮太郎は、あっさり、彼女との結婚を決意してしまう。 「かずさ屋」は、いつものように、魚屋「魚春」の主人(八名信夫)、昔は精米店をやっていたのだが、生来の博打好きが高じて今ではマンションの大家に成り下がった寺岡(三宅裕司)、酒屋の幸一(西島秀俊)など常連に加え、少し前に寺岡のマンションに引っ越して来たという学習塾の先生、佐久間(橋爪功)などが毎夜のように顔を見せていた。 そんな中、新妻となった里子が居酒屋を手伝うようになったある夜、二人が抱き合おうとしていると、いきなり二人の前に、死んだはずのしず子が現れる。そして、次の日も、また次の日も…。最初は恐怖で怯えていた二人も、だんだん幽霊のしず子に慣れて来て、里子などは、ちょっぴりしず子と仲良く酒を酌み交わしたりするような間柄にまでなる。しかし、いつまでも新婚生活を覗かれるのも困りものと、寺に相談に行くと、円山応挙の掛け軸を渡され、これにしず子の霊を封じ込めて急いで巻いて箱の中に入れて持って来いという。 いわれた通り、二人は、その夜、出て来たしず子に酒を飲ませ酔っぱらわせると、彼女が戻って行った掛け軸を巻いて箱に入れ、翌日、壮太郎が電車で寺へ帰しに行くのだが、ちょっと油断している隙に、その掛け軸が置き引きに盗まれてしまう。置き引き犯は、盗んだ掛け軸を関内にある古美術商浜木綿(大竹まこと)に持ち込むが、肝心の絵に幽霊の姿がない。さらに、女から店の主人に、その掛け軸を「かずさ屋」へ戻してくれ電話がかかってきたのを、たまたま店にいた佐久間が聞き、結局、掛け軸は彼の手で「かずさ屋」へ戻って来てしまう。 やがて、常連の寺岡が、自分の息子だという少年を連れて来て、さらに別の日、今度は、10年前に家を出たという元女房のカスミ(余貴美子)を伴って店にやってくる。聞けば、今は銀座でホステスをやっているカスミが、悪い男に引っ掛かって500万の借金に苦しんでいるので、助けを求められたという。彼女との生活を取り戻すため、寺岡は野球の巨人阪神戦に金を注ぎ込むのだが、寺岡の今後の人生のためにも、負けは許されないと思った壮太郎は、霊界にいるしず子に野球の結果を聞き出そうとする。しかし、しず子は「そんな事は知っていても教えられない。万一教えたら、この世にもう戻って来られなくなる」と断わるのだが、壮太郎は、「死んだ人間より、今生きている人間の方が大切だ」と頭を下げる。 「必ず戻る」と言い残した里子に対して、壮太郎は、しず子に併せて「待っている」とのこと付を託す。 その頃、里子は、殺人の罪でムショ暮しをしていた元夫の杉本延也(豊川悦司)の呼び出しを受けて会っていた。杉本は今後とも付きまとう様相をみせ、トイレで途方に暮れていた里子の前にしず子が現れ、里子に憑依した後、二人はホテルの部屋に入る。里子(中身はしず子)の体をほしいままに貪る杉本に対し、しず子は里子と壮太郎のこれからの人生のため、杉本の命を吸い取って情けを示す。しず子は、ホテルの部屋から壮太郎に電話し、今夜の阪神・巨人戦の結果を伝える。壮太郎は、賭け屋に電話を入れ、寺岡の賭け内容を変更してやる。 成仏したくないしず子の計らいにより、寺岡は新たな人生を歩むこととなる。また、佐久間も娘の理恵からの手紙を壮太郎から渡され、訳ありで蒸発した過去からの奮起を誓う。店からお客がいなくなったところで、店先に出た壮太郎の前に、里子(中身はしず子)が現れ、この世の最後に抱きしめてほしいとお願いし、壮太郎もこれに応じて最後の別れの抱擁を交わしたところで、しず子は成仏し、里子の体がぐったりとなる。 気を取り戻した里子は、店先に蛍が舞い踊っていることに気づき、飛び出したところで、「あんた、ただいま」と晴々しい表情で声をかける。そのセリフは、しず子が壮太郎のことを呼んでいた呼び方を真似たものだった。里子の心境の変化など、すべての事をくみ取った壮太郎は、「おかえり」とさわやかに答えたところでストーリーは終了する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「居酒屋ゆうれい」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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