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山城屋事件(やましろやじけん)は、1872年(明治5年)に陸軍省の御用商人山城屋和助が、陸軍省から無担保で借り受けた公金を返済できず自殺した事件。山城屋の借り出した公金は総額約65万円、当時の国家歳入の1%という途方もない額であった〔毛利敏彦『明治六年政変』67ページ〕。 == 事件経過 == 山城屋和助は政府要人と同じ長州藩出身という縁故で兵部省御用商人となり、軍需品の納入などにたずさわっていた。まもなく、陸軍省の公金15万ドルを借用して生糸相場に手を出した。この借金の背景には、陸軍省保管の現銀が価格低落を被っていたことがある。陸軍省は資金運用を理由として公金貸し付けを行った。ところが、ヨーロッパでの生糸相場の暴落にあって投機は失敗。山城屋は陸軍省から更に金を借り出し、フランスの商人と直接取引をしようとフランスに渡った。そのうちに一人の日本人がフランスで豪遊しているという情報が、フランス駐在中弁務使鮫島尚信やイギリス駐在大弁務使寺島宗則の耳に入り、日本本国の外務省・副島種臣外務卿へ連絡された。 このころ、山縣有朋は近衛都督として近衛兵を統括する立場にあったが、近衛兵内部の薩摩系軍人には長州人である山縣を近衛都督としていただくことを不服とする空気が強かった。そこに山城屋の一件を聞いた陸軍省会計監督・種田政明が密かに調査を始めて、「一品の抵当もなしに」〔井上清『日本の歴史 20 明治維新』292ページ〕多額の陸軍省公金が貸し付けられていたことが発覚、桐野利秋ら薩摩系陸軍人の激しく追及するところとなる。同年7月、山縣は陸軍中将・近衛都督を辞任することになった〔藤村道生『山縣有朋』51-53ページ〕。 翌1872年(明治5年)、江藤新平率いる司法省による本格的な調査が始まろうとした同年11月、山縣から至急の返済を求められた山城屋は公金返済が不可能であったため、陸軍省内部で割腹自殺。その際、関係する帳簿と長州系軍人の借金証文類も焼き払われたため、事件の真相は解明されることなく、陸軍省会計監督長船越衛の処分をもって収束する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「山城屋事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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