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弁官(べんかん、辨官)は、朝廷の最高機関、太政官の職である左大弁(さだいべん)・右大弁(うだいべん)・左中弁(さちゅうべん)・右中弁(うちゅうべん)・左少弁(さしょうべん)・右少弁(うしょうべん)の総称である。唐名(漢風名称)は尚書。通説においては四等官の中の判官(じょう)に相当するが、異説として弁官を含めた弁官局を太政官の別局として捉え、元は本来の四等官の系列には含まない品官であったする説もある〔森田悌、『日本古代律令法史の研究』第二部第一章第二節 太政官制と政務手続、文献出版、1986年〕。また、『延喜式』においても、季禄・時服・馬料・要劇料などの給与の支給手続やそのために必要な上日の集計・考文の送付などが太政官とは別個に行われ、人事・財政体系における太政官からの独立性が確認できる〔大隅清陽、『律令官制と礼秩序の研究』第一部第一章 弁官の変質と律令太政官制、吉川弘文館、2011年〕。 大弁は従四位上、中弁は正五位上相当、少弁は正五位下相当(養老令官位令)。 官庁を指揮監督する役を負っていたため、後には少納言より高位に位置づけられ、参議と大弁を兼任する者もいた。また、蔵人頭と大弁または中弁を兼ねる者もおり、特に頭弁(とうのべん)と称された。 左中弁以上の経験者には参議に昇進する資格があり(右中弁以下にはない)、将来三位以上に昇る道が開かれた出世の登竜門であった。 == 職掌 == その職掌は各省とその傘下の役職の監督が主であり、庶事の受け付け、官内の糾(糺)弾と決裁、起案文への署名、公務の遅滞や過失の判断、諸官庁の宿直と諸国司の朝集の裁定をつかさどった(大宝令職員令)。律令の規定では、八省のうち中務省・式部省・治部省・民部省を左弁官局が、兵部省・刑部省・大蔵省・宮内省を右弁官局が受け持つこととされていたが、実際には弁官局総体で八省を管轄したようである〔佐藤進一、『日本の中世国家』第一章第二節 官司請負制、岩波書店、1983年〕。また、集解令釈(令集解の「令釈」)職員令太政官条には神祇官と春宮坊のことも左弁官が扱ったと記されている〔有富純也、『日本古代国家と支配理念』第一部第二章 神祇官の特質、東京大学出版会、2009年〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「弁官」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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