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常染色体優性多発性嚢胞腎(''Autosomal dominant polycystic kidney disease'', ADPKD)は、腎疾患のひとつ。 多発性嚢胞腎の1タイプであり、ポリシスチン蛋白をコードする遺伝子の異常によって、腎臓に嚢胞が多発し、徐々に腎不全に至る疾患である。 尿細管・間質には炎症所見がみられ、実質正常細胞がアポトーシスを起こし線維化する。終末期には、嚢胞を線維の帯が囲むようになる。 長く治療法は対症療法しかなかったが、2014年に世界初の治療薬トルバプタン(商品名:サムスカ)が発売を開始した〔大塚製薬について>ニュースリリース>2014年>腎臓の希少疾病ADPKD患者さんのための錠剤「サムスカ®錠30mg」を国内で発売 〕。 == 病態 == 両側の腎臓において、細胞外マトリックス異常に起因して、既存の尿細管上皮の1%から発生した尿細管上皮が脱分化・増殖し、肉眼的に見える孤立球状嚢胞が年齢と共に増加。腎臓の皮質・髄質の「Bowman嚢から腎乳頭先端」のどこにでも多発する。嚢胞は径数mmを超えると、4分の3は尿細管から分離し、孤立嚢胞を形成する。上皮が腔内へ尿様の電解質液を分泌する(上皮の極性は保持される)ため、嚢胞は徐々に増大するとともに、腎は概形は保ちつつ両側性に肥大し、時に3kgにも達する。腎杯はおおきく歪む。この嚢胞は、周辺実質の機能障害を起こし、炎症細胞が浸潤し、正常細胞がアポトーシスするため、腎機能が低下する。 嚢胞の拡大につれて周囲動脈は伸展し障害され、糸球体濾過量(GFR)低下とレニン-アンジオテンシン系賦活によって、高血圧を起こす。20代 - 30代に発症(gene carrierは80歳までに100%が発症)する。終末期には、間質の線維化と細動脈硬化によって、半数は70歳までに腎正常実質はわずかになって末期腎不全に至る。このとき、腎臓はもとの数倍の大きさになる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「常染色体優性多発性嚢胞腎」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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