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幕の内弁当(まくのうちべんとう)とは、白飯と数種類の副食(おかず)からなる弁当である。長い歴史を持ち、細かな定義や特徴については諸説ある。 == 歴史 == 白飯と副食とを組合わせ、単なるおにぎりなどと比べると手のこんだ弁当が「幕の内弁当」と呼ばれるようになったのは、江戸時代後期で〔日本国語大辞典(小学館)があげている最古の例は1796年(寛政8年)。〕、「江戸時代の芝居文化にあらわれた弁当」の総称と定義されることがある。はじめは芝居見物の際に役者や裏方のために作られ、やがて観客向けのものが登場し発展した。こうした弁当はやがて規格化され、量産されるようになった。 『守貞漫稿』(1837年(天保8年)起稿)によると、江戸時代末期には握り飯に副食物を添えた弁当を幕の内と呼んでおり〔「中飯 江戸は幕の内と号けて円扁平の握り飯十顆を僅に焼之也。添之に焼鶏卵蒲鉾こんにゃく焼豆腐干瓢以上是を六寸重箱に納れ人数に応じ観席に持運ぶを従来の例とす」との記述がある。〕、最初に作ったのは芳町にある万久という店であった。幕の内弁当はやがて芝居に限らず病人への見舞いや贈答にも用いられるようになった。 明治以降、幕の内弁当は駅弁の様式のひとつとして広まった。明治22年(1889年)、兵庫県姫路のまねき食品が、握り飯一辺倒だった駅弁に導入したのが始まりであり、12銭(現在の2千円~3千円ほど)だったという〔菊地武顕「あのメニューが生まれた店」16頁 平凡社〕〔内容は、経木の折詰に握り飯と料理屋風の副食物(鯛、鶏肉、蒲鉾、伊達巻、金団、ウド、百合根、奈良漬など)を盛りつけたものであった。〕。駅弁は容器の回収ができないことから、使い捨ての経木の折詰に盛る方法が広まった。ただし、幕の内弁当が弁当の典型的・代表的な存在であったことから、必ずしも「幕の内弁当」で呼ばれるとは限らず、単に「弁当」「御弁当」などと呼ばれることも多かった。 第二次世界大戦後、懐石風の幕の内弁当が高級飲食店や来客をもてなす家庭料理として人気になる一方、多様ながらも少量で貧弱な副食物を飯とともにポリ容器に盛り付けたものがデパート、スーパーマーケットや弁当屋で販売されるようになった。20世紀末期から地方色が強いもの、特定の食材を重視したものなどへの傾斜を深めたが、幕の内も依然根強い人気がある。コンビニエンスストアなどでも多様な弁当が売られるようになったが、その中でも幕の内弁当は一定の勢力を維持している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「幕の内弁当」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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