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『幻化網タントラ』(げんけもう-、Māyājāla Tantra, マーヤージャーラ・タントラ)とは、仏教の後期密教聖典のひとつ。経典の諸本に説かれる「説会(せつえ)の曼荼羅」をはじめ、色々な曼荼羅〔『藏伝佛教壇城度量彩絵図集』を参照のこと。この本には、『大幻化網タントラ』の種々の曼荼羅を中心に、ニンマ派の主要な尊格の曼荼羅について、その作画法から立体曼荼羅についても詳細なカラー図版と共に紹介している。〕やタンカがあるが、共に男尊が四面四臂、女尊が一面四臂のヤブユム相の『大幻化金剛』(Maha Maya:マハ・マーヤ)〔『大幻化金剛』は、チベット密教では男尊が四面四臂、女尊が一面四臂のヤブユム相の立像が一般的ではある。なお、チベットの『三百図像』には、この坐像も収められている。また、この尊格は日本の『理趣経』に「五秘密尊」として説かれ、『胎蔵界曼荼羅』においては「金剛王菩薩」として描かれている尊格と同じものを指すと見られる。〕〔『チベット密教の神秘 快楽の空・智慧の海』(学習研究社)、「母タントラ」写真図版、pp.85-88。〕〔『チベットの仏たち』(方丈堂出版)、第二十七話「マハーマーヤーとブッダカパーラ」、pp.144-147。〕〔『「幻化網タントラ」に見られる五秘密思想』(密教文化)、pp.34-53。〕〔『五秘密尊と五秘密曼荼羅』(印度學佛教學研究)、pp423-428。〕を本尊(yidam:イダム)〔ここでいう「本尊」は、チベット語でイダム(yidam)といい、「秘密本尊」や「守護尊」とも訳される。主に憤怒相のヤブユムで描かれ、チベット密教における主要な五タントラを代表する尊格を五大金剛とも言うが、尊様や図像的には日本密教の明王部に相当する。ただし、チベット密教の伝承する無上瑜伽タントラではそれよりも格が上で、本初仏(アディ・ブッダ)や如来と等しい存在とされ、「ヘールカ」とも呼ばれている。〕として祀る点にも特色がある。 ==新訳と旧訳== チベットにおけるこのタントラのテキストには新訳と旧訳の二本があり〔本項では漢訳や中国訳の諸本を参考とし、新訳を『幻化網タントラ』、完成された大品である旧訳を『大幻化網タントラ』と日本語で表記する。現時点で両者を比較した場合、このテキストを『金剛頂経初会』系のタントラから『秘密集会タントラ』系への発展段階の一つとする松長有慶によると、新訳のテキストが旧訳のテキストよりも早期に成立したとしている。また、田中公明は『理趣経』の発展史上からとらえて曼荼羅の解明を行い、新訳のテキストを旧訳のテキストの先行経典である『金剛サッタのタントラ』のテキストであるとしている。〕〔『幻化網タントラの性格』(印度学仏教学研究)、p550。〕〔『密教経典成立史論』(法蔵館)、pp.240-261。〕、チベット大蔵経には新訳の『幻化網タントラ』が収められている。チベット密教において、インド伝来の三宗派のうちサキャ派とカギュ派が新訳の『幻化網タントラ』を主要な五タントラの一つに数え、ニンマ派では旧訳の『大幻化網タントラ』を主要な五タントラの一つに数え、所依の経典〔依経(えきょう)ともいい、文字通りに、その宗派の教えの拠り所となる経典のこと。〕としている。他方、チベットで創始された宗派であるゲルク派では『幻化網タントラ』の代わりに『ヴァジュラ・バイラヴァ』(大威徳金剛)〔日本の密教では「大威徳明王」と呼ばれている。〕のタントラのテキストを主要な五タントラに入れる。 なお、チベット密教において新訳と旧訳を伝承する先の三宗派が、共にインドの(チベット名;ククリパ)に始まるとしている。それゆえ、ニンマ派では新訳や先行経典等を含めて、『サンワ・ニンポ』(大幻化網タントラ)を主本とする『ギュントゥル・タワ』(幻化網)経典群〔ニンマ派のマハーヨーガに属する十八部大タントラの『十万品幻化網タントラ』(十萬品幻化網續)と、旧訳経典の幻化部に属する八部の経典『幻変八部』、四部の釈タントラに属する『幻化四部』等がある。〕とする。また、新訳の『幻化網タントラ』は金剛薩埵のヤブユムを主尊とし「父タントラ」に分類され、旧訳の『大幻化網タントラ』は三面六臂の大日如来を主尊とし、経中に如来の五智以前の『根本智』を説き、それを『黒憤怒空行母』(トゥマ・ナクモ)とするところから「母タントラ」〔『チベット密教の神秘 快楽の空・知慧の海』(学習研究社)、「母タントラ」、pp82-87。〕に分類される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「幻化網タントラ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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