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東京都青年の家事件(とうきょうとせいねんのいえじけん)とは、同性愛者の団体に対し、東京都が「青少年の健全な育成に悪い影響を与える」として宿泊施設「府中青年の家(閉鎖)」の利用を拒絶した事に対して、1991年2月に起こされ、1997年9月の二審で原告団体の全面勝訴で結審した損害賠償訴訟である。提訴の理由は「青年の家を利用した際、他団体から嫌がらせを受けた。そこで青年の家側に対応を求めたところ、青年の家所長と都職員から不誠実な対応をされ、今後の利用を拒否された」というものだった〔1991年5月「社会新報」より。〕。 == 事件の概要 == 動くゲイとレズビアンの会(通称アカー、OCCUR)が東京都にある府中青年の家への利用を1989年12月4日に電話にて申し込んだ。1990年2月11日から1泊の予定で利用するものであったが、当日は団体の他に少年サッカークラブ、女性合唱団、青年キリスト教団体(日本イエス・キリスト教団青年部)が利用していた。 プログラム初日の夕方に、青年の家の職員臨席で宿泊団体のリーダー会がもたれ、団体が同性愛者の人権を考える団体であると紹介したが、リーダー会終了後、同宿のキリスト教青年団体の参加者から団体メンバーに向けて「こいつらホモなんだぜ。ホモの集団なんだぜ。」という言葉を投げつけられたり、団体メンバーが入浴しているのを少年サッカークラブの小学生が覗き見し笑い声をたてるなど、明らかに同性愛者を差別する嫌がらせを受けた。 翌朝の朝食時にも、子どもたちと引率の大人たちが、「またオカマがいた」などと声をあげて笑うなど、無視できない差別的言動があった。そのため団体が善処を求めて臨時のリーダー会が翌日の午後3時に行われたが、そこで、いやがらせ行為について問われた青年キリスト教団体のリーダーは、旧約聖書の一節、『女と寝るように男と寝るものは、ふたりとも憎むべきことをしたので、必ず殺されなければならない。』〔旧約聖書 レビ記 20章13節 キリスト教が同性愛を断罪する根拠といわれる。〕〔聖書にはレビ記20章13節の他にも同性愛を禁止していると解釈されうるテキストが数箇所指摘されているが、本当にそれらテキストにそのような意図があるかについて、近年、様々な研究が行われるようになっている。例として「虹は私たちの間に-性と生の正義に向けて」(山口里子著、新教出版社 2008年 ISBN:978-4-400-42706-3)など。〕を読み上げ、同性愛は認められないなどと主張した。団体は反論しようとしたが、青年の家職員は、「もう終わりです。主催者は僕なのだから、まだ発言しようというのなら、帰ってもらいますよ。」と述べ、団体側の発言を許さない態度に出たため、団体側は職員に抗議して席を立った。 その後、団体が再度の利用を青年の家に申し込んだところ「青少年の健全な育成にとって、正しいとはいえない影響を与える」として利用を拒否された。その後、東京都教育委員会も青年の家利用条例の「秩序を乱す恐れがあると認められる者」などとして今後の使用を認めない不承認処分を決定した。そのため団体は正当な理由によらない差別的な取り扱いであり人権侵害にあたるとして、1992年2月に青年の家が利用できなかったことによる損害賠償を求め提訴した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「東京都青年の家事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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