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弾丸銀河団〔X線と重力レンズでさぐる銀河団 山形大学理学部物理学科准教授 滝沢元和〕(だんがんぎんがだん、Bullet Cluster)は、小さな銀河団と大きな銀河団が衝突し、強いX線を放つりゅうこつ座にある銀河団である。 1E 0657-56(または 1E 0657-558)とも表される。 この衝突によって銀河団は弧状の衝撃波面を持つ2億度の高温ガスを有している。 2004年から2006年にこの衝突銀河団の観測によって暗黒物質の存在に対する新たな証拠が提示されたことで知られる。 ==概要== 1970~80年代、X線天文衛星により作成されたカタログでX線源 1E 0657-56 と命名されていたこの天体は、1990年代に詳しく調査され、銀河系からおよそ40億光年(赤方偏移 ''z'' = 0.296)の距離にある高温のガス雲をもつ銀河団だと判明した〔 (arXiv: astro-ph/9801120 )〕。 銀河団は巨大な輝く衝撃波の弧を有しており、X線望遠鏡では2つの部分にピークが分離したプラズマのガス雲が認められる。 こうした銀河団の様子は、大きな銀河団の中心部へ 1/10 ほどの大きさの小さな銀河団が高速で貫くように通過したところだと考えられ、双方が通り抜ける相対速度は 4500 km/s と見積もられている〔 (arXiv: astro-ph/0312273 )〕。 この衝突により、構成銀河の星間物質は「ラム圧による剥ぎとり」(ram-pressure stripping) によって剥ぎとられ、一部は2億度以上の高温にまで熱せられている〔 (arXiv: astro-ph/0110468 )〕。 しかし、こうした速度も銀河団の衝突では特に珍しいものではないとされる。 弾丸銀河団という名前は、小さな銀河団が高速で大きな銀河団の中心部をまさに弾丸のように貫いている姿から与えられた。 実際、小さな銀河団に属していた一方のガス雲はもう一方を通り抜けた楔か弾丸のような三角形をしている。 この「弾丸」ガス雲はすでに1–2億年前に大きな銀河団の中心部を貫き、両者の間の距離は100–200万光年ほどある。 また、可視光の画像を重ねると両方の銀河団の銀河はこれら2つのガス雲を置きざりにしてそれらの両側にまで進んでいるのがわかる〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「弾丸銀河団」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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