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『御先祖様万々歳!』(ごせんぞさまばんばんざい!)は、1989年8月5日から1990年1月25日にかけてリリースされた押井守によるOVA作品。全6話(全6巻)。 ==作品概要== スタジオぴえろ10周年記念作品として製作された。原作、脚本、監督は押井守。 舞台演劇のような演出をアニメに持ち込み、登場人物が過剰なまでに饒舌な台詞を話す。「立喰いそば」、「犬」、「大洗海水浴場」といった、他の押井作品で見られる題材やネタも随所に含まれる。 南家こうじが担当したオープニングアニメーションは、エフェクト作画とセルアニメの撮影技術を最大限に利用した独特なものであり、当時としてはかなり衝撃的なものとなっている。 1990年に本作を90分に再構成・再編集したヴァージョンが、『MAROKO 麿子』というタイトルで劇場公開された。すべて犬丸の視点で描かれているため、OVAとは違った視点で楽しめるものの、犬丸不在で麿子の正体に迫るクライマックスがばっさり省略されており、押井自身もOVAの方がずっと面白いと認めている〔別冊宝島 「押井守ワークス スカイ・クロラ」より。〕。 本作と同じスタジオぴえろで製作し押井が監督したヒットアニメ『うる星やつら』と同様に、ある家族に美少女がやって来て起こる混乱を描くコメディーである。『うる星やつら』との類似は押井の意図〔『うる星やつら』のラムが宇宙人で諸星あたるの妻という設定がイカサマであり、実は結婚詐欺師だったらというシナリオを考えたが没になった経緯を元にしたという。〕で、声優の配役も重なっている部分があり、後にしばしば「裏『うる星やつら』」とも評された。しかし、売れ線の企画だと期待したスタジオぴえろ社長布川ゆうじの思いに反して、押井の趣味が反映された小劇場での舞台劇を模した演出と独特の長台詞は、アニメファンのニーズに合わず、商業的には成功とはいかなかった〔ただし、押井自身は同人誌のインタビューで「OVAというものは長い目で見れば少しずつ売れて最終的にはペイするもの」という持論を展開している。〕。それにもかかわらず最後まで作らせてくれた布川社長に感謝していると押井は語っている。一方、出演した声優陣からは舞台劇を模したスタイルは概ね評判がよく〔山寺宏一は自身の書籍『山寺宏一のだから声優やめられない!』の千葉繁との対談において「自分の代表作にしてもいい」と語っている。〕 、山寺宏一と鷲尾真知子が絶妙のデュエットを見せた挿入歌「興信所は愛を信じない」には録音演出(音響監督)の千葉繁(これが初の音響監督であった)による「山寺、歌うますぎるよ!」というガヤが(わざと)入っていたり、各巻冒頭のプロローグと次回予告のナレーションを担当した永井一郎が自分の出番が終わっても「面白いからもうちょっと見させてよ」とアフレコを全部眺めていったという話が残されている。 本作で、うつのみや理がレイアウトと作画監督のデビューを飾っている。 1994年7月にNHK-BS2の「夏休みアニメ特選」で声優の林原めぐみを案内役に毎日1話ずつ放送された。しかし事前に放送が予定されていた最終話は、当日になって事前に説明もなく別作品(スノーマン)に差し替えとなった。 その件の問い合わせに対して、NHKはフィルムに異常があったためと説明したとされるが、本作は途中からビデオマスターしか制作されておらず、フィルムに異常があることはありえない。放送を決めておきながら本作第5話で描かれる意外にも過激な展開に驚き、急遽中止にしたのではないかというのが、もっぱら推測される理由である〔参考文献 『ユリイカ 4月号』 第36巻第4号(青土社) ~特集 押井守 映像のイノセンス~ 押井守フィルモグラフィー 藤津亮太 著 より〕。 関西では讀賣テレビ放送の『アニメだいすき!』のプログラム内で1993年3月20日に「MAROKO 麿子」が放送されている。同プログラムは、春休み・夏休み・冬休みの学休期間中の昼間にマニアックなOVAやアニメ映画を中心に放送した名物特番枠で、押井守のインタビューを放送する(1988年11月23日放映「鬼才・押井守の世界」)など野心的な企画も行なっていた。 なお、2005年3月にはキッズステーションで全話放送された。その前には「MAROKO 麿子」も放送されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「御先祖様万々歳!」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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