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『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』(シャーロック いまわしきはなよめ、)は、BBC制作のドラマ『SHERLOCK』の特別編である。2016年1月1日に、イギリス・アメリカでテレビ放映され、その後20分の特別映像を加えて劇場限定公開されている。日本では2016年2月19日に劇場公開された。 設定をドラマ版での現代からヴィクトリア時代の1895年に移し、語られざる事件の1つ「リコレッティ夫人の幽霊の謎」について、ホームズが謎を解く展開となっている。 == あらすじ == 冒頭部分で、これまでの『SHERLOCK』のエピソードが振り返られる。シーズン3最終話『』でのクリフハンガーが流れた後、ヴィクトリア朝の英国へリンクする。 ジョン・ワトスンは、第二次アフガン戦争に軍医として従軍するものの、肩を負傷して帰国する。傷心のままロンドンに至り、これからの生活を考えあぐねていると、かつてバーツで同僚だったスタンフォードに出会う。彼の紹介でシャーロック・ホームズに出会い、2人はベーカー街221Bで共同生活を始めることになる。 時代は下って1895年のクリスマスへと移る〔ワトスンが新聞の売り子に、『ストランド・マガジン』誌に掲載された『青い紅玉』の出来を聞くシーンがあるが、この作品は同誌の1892年1月号に掲載された。また、特報映像として流されたシーンには『バスカヴィル家の犬』について言及するシーンがあるが、この作品は1901年から翌1902年にかけて発表された(しかしこの年代の誤差はあくまで設定上のトリックである)。〕。ワトスンの口からこれまでホームズの活躍を多数記録してきた旨が語られるが、「ホームズを肉体的・精神的に最も追い詰めた事件」として、「忌まわしき花嫁」の話が始まる。 : ベーカー街221Bにホームズとワトスンが帰ってくると、喪服を着て変装したワトスンの妻・メアリーがいた。メアリーは事件の調査のため留守がちな夫に対して文句を言い、2人は口論になる〔この時、口論の裏でホームズがヴァイオリンを用いて弾いているのは、本シリーズ『』で、ワトスン夫妻の結婚式のためにシャーロックが作ったワルツである。〕。そこへレストレード警部がやってきて、エミリア・リコレッティ夫人の奇怪な話を始める。 : リコレッティ夫人は、夫トーマスとの結婚記念日当日に、花嫁姿で通りに面したバルコニーに建ち、二挺拳銃で乱射を行う。それから自分の頭を撃ち抜いて自殺した。しかしその夜、死んだはずの彼女は夫トーマスの前に現れ、彼をショットガンで殺害し、夜霧の中に消えていった。 : ホームズはリコレッティ夫人の遺体を調べに行くため、ワトスンを連れてモルグへ向かう。不満げなメアリーは、「自分も婦人参政権運動に関わっている」とレストレードに八つ当たりするが、「M」からの電報に嬉々としてベーカー街を出て行く。 : モルグに着いたホームズとワトスン、レストレードの3人だったが、検死官のフーパーが遺体は確かにリコレッティ夫人だと所見を述べると、ホームズは興味を失ってモルグを出て行く。帰り際にワトスンは、フーパーが実は女であることを見抜いて立ち去る。後日、同様の事件が5件も発生したとレストレードがベーカー街へ訴えに来るが、ホームズは模倣犯だろうと推理して興味を示さない。 数日後のワトスン邸では、メアリーが不在な上、メイドの出来が悪いせいで、ワトスンに朝食が出されない。同じ日、ホームズとワトスンはディオゲネス・クラブを訪れる。そこで2人はマイクロフトに、「強大でこちらが屈しなければならない敵」との対決と、レディ・カーマイケルの件を依頼される。ホームズとワトスンは221Bに帰り、レディ・カーマイケルの依頼を聞く。彼女の夫サー・ユースタスに死を意味する5粒のオレンジの種が届き、花嫁姿の女性が彼へ殺害予告をしたと言う。その夜、カーマイケル邸に来たホームズとワトスンは張り込みをしている。2人は花嫁姿の女性を見つけるが、彼女はすぐに姿を消し、同時に窓の割れる音がする。ホームズは別の窓を割って邸内へ急ぐが、サー・ユースタスは刺されて亡くなっていた上、ワトスンは花嫁を取り逃がしてしまう。 翌日、実況見分に来たレストレードから、サー・ユースタスを刺した短剣に名札が付いていたことを知らされる。ホームズが確認した時には無かったはずの名札には、"''MISS ME?''"〔本シリーズ・シーズン3最終話『最後の誓い』では、クリフハンガーとして、"Miss Me?"との字幕と共に、モリアーティの映像が英国中のテレビに映し出される。〕と書かれていた。ホームズがベーカー街の自室で「マインド・パレス」に籠もっていると、モリアーティが現れ、本シリーズ『最後の誓い』と同様に銃で後頭部を吹き飛ばす。しかしそれでも喋っているモリアーティに、ホームズはリコレッティ夫人事件との類似点を見出して動揺する。やがてベーカー街を映す画角が、地震のように揺れ出す。 場面は本シリーズ『最後の誓い』での飛行機の着陸シーンへ戻る。着陸した飛行機にジョンとメアリー、マイクロフトが乗り込んで来る〔この時チャーター機の機長として映るのは、レディ・カーマイケル役のキャサリン・マコーマックである。〕。1895年に起きたリコレッティ夫人の未解決事件について話し出すシャーロックに、マイクロフトは薬物摂取量のリストを作ったか尋ねる。シャーロックはリストを差し出し、思考整理のために薬物摂取していることを3人に告げる。摂取した薬物の種類を尋ねるジョンの声で、シャーロックは再び19世紀へ引き戻される。 再びヴィクトリア朝のベーカー街221Bに戻る。やってきたワトスンにホームズはモリアーティがいたと告げるが、彼は死んだと返され、コカイン摂取をたしなめられる。そこへ、マイクロフトの命を受けて調査をしていたメアリーから、リコレッティ夫人の仲間を廃協会で見つけたと知らせる電報が届き、2人は急行する。教会には、クー・クラックス・クランよろしく儀式を行うの秘密結社がおり、3人は彼らの会合を中断させる。結社の会員には、モルグのフーパー、ジャニーン、ワトスン邸のメイドも含まれていた。ホームズは彼らの前で、リコレッティ夫人事件の謎を解き始める。 : リコレッティ夫人は、二挺拳銃の片方を口にくわえ、もう片方を発砲して後ろに倒れた。発砲と同時に協力者が後ろからカーテンに血糊をかけ、よく似た別人の遺体をモルグに運ぶことで偽装自殺を行った。その夜、彼女は女性解放運動に理解を示さない夫トーマスを射殺してから、仲間に自分を射殺させてモルグの遺体とすりかわった。サー・ユースタス邸で2人が見た花嫁は、ガラスに映ったもので、ガラスの割れた音は、使われたガラスを誤って割ってしまった時のものだった。サー・ユースタス邸に現れた他の花嫁も、結社の会員たちがウエディングドレスを着て扮していた。彼女たちは、女性の活躍に無理解な男性を「処刑」していたのである。ホームズは「男性に決して勝ち目の無い戦争」と語り、レディ・カーマイケルが、結社の一員としてサー・ユースタスを殺したと考える。そこに現れた花嫁を彼女だと考えて話し続けるホームズだが、ヴェールを取るとそこにいたのはモリアーティだった。 ジョンの声でシャーロックが現代に引き戻されると、彼は病院に搬送されていた。彼はリコレッティ夫人の棺の下に別人が埋葬されていると考え〔類似したトリックが『フランシス・カーファックス姫の失踪』で使われている。〕、それを確かめに墓地へ向かう。すると掘り出したリコレッティ夫人の棺から、"Do not forget me"(訳:私を忘れないで)との歌声が聞こえ、彼女の遺体がシャーロックに襲いかかる。 : 再び舞台はヴィクトリア朝に戻り、ホームズは気付くとライヘンバッハの滝の岩棚にいる。モリアーティが現れ、ホームズはマインドパレスに没入したままなのだと告げる。2人は岩棚の上で格闘を始めるが、そこにワトスンが現れて場を制し、モリアーティを滝壺へ突き落とす。その後ワトスンは、ホームズにどうやって目覚めるつもりか尋ね、ホームズは自信を持って滝壺へ飛び降りる。 再び現代に引き戻されたシャーロックは、映画中盤と同様にチャーター機に乗っており、ジョンとメアリー、マイクロフトの3人に囲まれている。シャーロックはマイクロフトの手にあったリストを破り捨て、ふらつく足で外に出て行く。マイクロフトはジョンにシャーロックの世話を頼むと、弟の破り捨てたリストを拾ってノートに挟み込む。マイクロフトのノートには、"Redbeard"(訳:赤髭)と書かれている〔本シリーズ『最後の誓い』で、マイクロフトによって言及された後、シャーロックのマインドパレスにも出てくる単語。〕。シャーロックは、モリアーティは確実に死んでいるものの次の出方は分かっているとして、ジョン・メアリーと共に車で飛行場を去る。 : 再びヴィクトリア朝のベーカー街に戻ると、ホームズとワトスンが今回の事件にどんなタイトルを付けるか話し合っている。ワトスンの案で題名が "''The Abominable Bride''"(訳:忌まわしき花嫁)と決まったところで、ホームズはパイプを持って席を立つが、カメラがズームアウトしていくと、外の風景は現代のベーカー街となっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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