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『快楽の園(かいらくのその、、)』、または『悦楽の園(えつらくのその)』は、初期フランドル派の画家ヒエロニムス・ボスが描いた三連祭壇画。ボスが40歳から50歳の1490年から1510年の10年間のいずれかの時期の作品で〔ボスの正確な誕生年は不明だが、1450年頃と推測されている。 Gibson, pp. 15 - 16〕、1939年からスペインのマドリードにあるプラド美術館に所蔵されている。ボスの作品の中でも最も有名な作品で〔Snyder 1977, 9〕、かつ最も大がかりな作品である〔Snyder 1977, 96〕。この絵画はボスが画家としての最盛期にあったときに描かれ、この作品のように複雑な寓意に満ち、生き生きとした表現で描かれているボスの作品は他に存在しない〔Bosing, 60〕。 == 体裁 == この三連祭壇画は板に油彩で描かれたもので、長方形の両翼を閉じると中央パネルを完全に隠す(いわば三面鏡のような)構造になっており、両翼裏面それぞれに半円ずつ描かれた天地創造の地球、(当然ではあるが描かれている地球は当時の人々の考える(すなわち天動説を基にした)地球の姿である)のグリザイユが現れる。三枚のパネルに描かれている絵画はおそらく左翼、中央パネル、右翼へと展開する物語になっているが、必ずしも左翼から観なければならないというわけではない。左翼には神がアダムにイヴを贈る場面、中央パネルには猥雑で人目を引く裸体の人物、空想上の動物、巨大な果物、石などが積み上げられた構造物などの広大な情景、右翼には地獄で拷問を受ける罪人などがそれぞれ描かれている。 美術史家や評論家は『快楽の園』を誘惑からの危険に対する警告を意図した作品であると解釈することが多い〔Kleiner & Mamiya, 564〕。しかしながら、特に中央パネルに描かれた複雑な象徴的意味が何を表しているのかが何世紀にもわたって学術論争の的になってきた〔Snyder 1977, 100〕。20世紀の美術史家の間では、祭壇画の中央パネルには道徳的な警告が描かれていると解釈する研究者と、失楽園が描かれていると解釈する研究者との二派に大きく分かれている。アメリカ人作家のピーター・S・ビーグルは「不道徳で享楽的な雰囲気に満ちあふれ、観る者全てを窃視症にするかのような性的狂乱が描かれている」としている〔Belting, 7〕。 ボスは画家としてのキャリアを通じて、3点の大きな三連祭壇画を制作した。どの祭壇画もそれぞれのパネルに描かれた題材が重なり合い、全体として一つの意味が表現される構成になっている。これら3点の祭壇画に共通して言えることは、どれも特定の歴史や信仰に直接関連するテーマを扱ったものではないということである。当時の三連祭壇画は左翼、中央パネル、右翼へと物語が流れていき、両翼にはエデンと最後の審判が描かれ、中央パネルには何らかの寓意を秘めた作品が多かった〔Belting, pp.85 - 86〕。『快楽の園』が教会の装飾用として制作されたのかどうかははっきりとしていない。しかし、中央パネルと右翼に描かれている極端な内容からすると教会や修道院で使用されていたとは考えにくく、一般信徒の依頼に応じて制作された可能性が高い〔Gibson, 99〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「快楽の園」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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