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思い出のとき修理しますのあらすじ(おもいでのときしゅうりしますのあらすじ)は、谷瑞恵による日本の連作短編集『思い出のとき修理します』(集英社文庫)各話のあらすじを記す。 == 第1巻 == === 黒い猫のパパ === 思い出を修理される人:咲と父親 都会で恋愛にも仕事にも疲れた美容師・仁科明里は、小学生2年生の頃に1ヶ月だけ過ごした「ヘアーサロン由井」に引っ越してきて、「おもいでの時 修理します」というプレートを掲げた時計店の店主・飯田秀司と、近くの津雲神社の社務所で寝起きしている大学生・太一に出会う。太一が神社で拾ったという壊れたオルゴール箱を見せ、秀司が底を開くと、中に入っていたのは母娘と黒猫が写ったネガだった。 太一に案内されて商店街を歩いていた明里は、黒猫を「パパ」と呼んだ女性、咲に出会う。咲は、オルゴールの中にあった写真は自分と母を写したものだが、オルゴールは自分が落としたものではなく、高校生の頃にいなくなった飼い猫「パパ」のお気に入りで、「パパ」がいなくなった頃に見当たらなくなったものだという。「パパ」は、咲が生まれる前に亡くなった父親が拾ってきた猫で、元は別の名がつけられていたが、幼い咲が「パパ」と呼ぶのでいつの間にかその名になったらしい。 明里は、猫の寿命から考えるとそんなことはあり得ないと知りながら、商店街で見かけた黒猫が「パパ」だったらいいなと思い、太一と一緒に探し始める。猫を追いかけているうち、明里は日比野写真館の裏口に迷い込み、主人とたまたま訪問していた秀司に会う。日比野の話から、咲は隣町の写真館で例の写真を撮ったということと、その写真館の親戚の中に、高山など人が滅多に足を踏み入れない場所の風景を撮影して、様々な賞を取っている写真家がいることを知る。 咲たちが入籍する日、明里は咲から、商店街のみんなと一緒に撮る記念写真に一緒に写ってほしいと誘われる。快諾した明里は、咲の髪をセットさせてもらう。セットされながら、咲は「パパ」がいなくなった日、自分を振り返って「咲、元気でな」としゃべったと語る。そして咲が「いつかまた、会えるかな」と尋ねると、「おまえが嫁に行くころには」と答えたという。記念写真が終わると、咲は黒猫を見つけて、「お父さん」と呼びかけ、「幸せになるから心配しないで」と語りかける。猫は、それに応えるようにしっぽを揺らす。 買い物の帰り道、明里は秀司と太一と会い、オルゴールの話になる。秀司は、二人に自分の推理を語って聞かせる。おそらく、咲の父親は、日比野が言っていた風景写真家である。そして、彼は今も生きているが、危険な仕事をしている自分では責任ある父親の立場にはなれないと思って、娘に一生名乗り出ないと決めたのではないか。しかし、彼が帰国したとき、親戚の写真館へ行き、そこで彼が母娘の写真を撮るという約束をしたのではないかと。また、咲が最後に「パパ」を見た日も、父親は家族の様子を見に行っており、「パパ」がそれを見つけて連れて行ってとせがんだが、父親は「パパ」のそばにオルゴールを見つけて一緒に持ち去り、中に思い出のネガを入れたのではないかと。 秀司は、オルゴールに記念写真を入れて咲に渡したが、咲と直之が神社にお参りに行ったとき、ちょっと石垣の上に置いておいたらなくなったという。おそらく、咲の父親が持って行ったのだろう。その記念写真には、黒猫も写っていた。明里は、オルゴールの中のこの写真を見た咲の父親は、自分の代わりに黒猫が家族写真に加わったように感じるだろうかと思い、秀司はやっぱり思い出を修理してくれる人なのかもしれないと感じる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「思い出のとき修理しますのあらすじ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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