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『思い出のマーニー』(おもいでのマーニー、原題:''When Marnie Was There'')は、イギリスの作家、ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学作品。かたくなに心を閉ざした少女アンナが海辺の村に住む少女マーニーとの交流を通じて心を開いていく様子が描かれる〔「子どもの本だな」『朝日新聞』1980年12月18日付朝刊、11版、15面〕。初版は1967年にイギリスの出版社コリンズより出版され25万部を売り上げた〔日本テレビ「ZIP!スピンオフ ~ジブリ最新作「思い出のマーニー」秘密を探るイギリス絶景旅~」 2014年8月10日(日)放送〕。1968年にカーネギー賞の最終候補にノミネートされた〔Joan G.Robinson, ''When Marnie Was There'', HarperCollins Children's Books, 2014, p.1 ISBN 978-0-00-759135-0〕。1971年にBBCの長寿番組であるJackanoryでテレビ化された。日本では1980年に岩波少年文庫(岩波書店)より刊行された〔思い出のマーニー 上 、岩波書店、2014年5月22日閲覧。〕。 スタジオジブリ制作・米林宏昌監督により長編アニメーション映画化され、2014年7月19日公開。米林にとっては2010年公開の『借りぐらしのアリエッティ』以来、4年ぶりの監督作品。第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされている。 == あらすじ == 幼い頃に孤児となったアンナは、養女として育てられている。なぜか友達ができないアンナは、自分が目に見えない「魔法の輪」の外側にいるのだと感じており、母や祖母が自分を残して死んだことも憎んでいる。養母からは実の子のように思われていると感じていたのだが、養母がアンナの養育費を市から受給しており、それをアンナに隠していると知ると、アンナは養母の愛にまで疑問を感じるようになってしまう。無気力になったアンナは喘息まで患い、療養のために海辺の村で過ごすことになる。 村を訪れたアンナは、入江の畔に、「これこそずっと自分が探していたものだ」と直感的に感じる古い無人の屋敷を見つける。"湿地屋敷"と呼ばれるその屋敷を、なぜかアンナは特別な存在だと感じ、この屋敷に住むことになる人は特別な人のはずだと夢見るようになる。屋敷は長いこと無人だったはずだが、屋敷に長く住むという不思議な少女マーニーとアンナは出会う。マーニーを「まさしく自分のような子」だと感じたアンナは、彼女と友達になり、悩んでいた養育費のことも打ち明けるようになる。アンナは、恵まれた子だと思っていたマーニーが孤独を感じていることも知り、やがて友情を深めた二人は永遠に友達でいる誓いを立てる。 ある日アンナは、マーニーが小さな頃に風車小屋に閉じ込められそうになったことがあり、それからは風車小屋を恐れ続けていることを知る。その日の夕方にアンナが風車小屋を見に行くと、中には既にマーニーがいた。マーニーは勇敢になろうと思って風車小屋の二階に登ったが、怖くて梯子を降りられなくなったのだという。風雨の音に怯えたマーニーは、その後も動けず、日も暮れてしまい、疲れ果てた二人は風車小屋で寝てしまう。すると誰かがマーニーを迎えに来たような気配があり、アンナが目を覚ますと真っ暗な風車小屋にはアンナだけが取り残されていた。アンナは、初めてできた親友に裏切られたと激しく怒り、悲しんだが、アンナが湿地屋敷へ行くと、窓の内側にいるマーニーから突然の別れを告げられる。マーニーは部屋に閉じ込められており、明日になるとどこかに連れて行かれるのだという。マーニーが、アンナが大好きだ、置き去りにするつもりはなかったと叫ぶと、アンナは、やはりマーニーは自分を大好きなのだと感じて彼女を許し、マーニーが大好きだ、絶対に忘れないと叫び返す。激しい雨が降り、窓の向こうにいるマーニーは見えなくなる。するとアンナには、まるで屋敷が最初から無人であったかのように見えた。 マーニーと別れた後のアンナは、少しずつ人に心を開くようになり、湿地屋敷に引っ越してきたリンジー家の人々と友人になる。マーニーのことは自分が想像で作り上げた友達だと思うようになっていたが、アンナはリンジー家の少女から、アンナの"秘密の名前"を砂浜に書いたので見て欲しいと言われる。アンナが見に行くと、そこには「マーニー」と書かれていた。少女は湿地屋敷でマーニーの日記を見つけており、引っ越してくる前にアンナが屋敷の門から出てくるところを見たことがあったので、日記を書いたのはアンナだと思い込んでいたのだ。不思議なことにマーニーの日記は50年も前のものだった。少女の母であるミセス・リンジーは、湿地屋敷のことを昔から知っている老婦人のギリーならば、全ての答えを知っているかもしれないという。 その後、アンナの養母が村を訪れ、アンナに養育費のことを打ち明ける。彼女はお金をもらっていることでアンナが傷つくかもしれないと恐れ、アンナには黙っていたのだという。アンナは大きな心の荷を降ろし、いつしか自分でも知らないうちに、母と祖母への憎しみが自分の心から消え去っていたことにも気づく。 後日、アンナたちが老婦人のギリーにマーニーの日記を見せると、彼女は湿地屋敷に住んでいたというマーニーの過去を語り始める。大人になったマーニーは結婚して娘をつくり、孫娘もできたが、マーニーの娘は交通事故で亡くなり、マーニーも孫娘を引き取ってからすぐに亡くなったのだという。その話を聞いたミセス・リンジーは、その孫娘とはアンナのことではないかと思い当たる。ギリーの話が、アンナの養母から聞かされていた、幼き日のアンナの話と一致したのだ。孤児院に入れられたアンナは湿地屋敷の写真を持っており、その写真から手を離そうとはしなかったという。 アンナはリンジー家のような大家族の子供ですら、時々「輪」の外側にいると感じていることに気づく。それは、近くに誰かがいるかどうかとは関係がなく、心の中の問題だったのだ。ミセス・リンジーは、雨の日にずぶ濡れで屋敷の中に入ってきたアンナを見て、こんな日に外にいたのかと驚く。するとアンナは、自分はもう「中」にいるのだと言って笑うのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「思い出のマーニー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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