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『思春の泉』(ししゅんのいずみ)は、1953年(昭和28年)11月3日公開の日本映画である。中川信夫監督、新東宝と俳優座の製作提携作品、新東宝の配給作品である。白黒映画、スタンダードサイズ、10巻 / 2,420メートル(1時間28分)。宇津井健の映画デビュー作である。のちに『草を刈る娘』(くさをかるむすめ)と改題した。 == 概要 == 原作は石坂洋次郎の小説『草を刈る娘』。東北の農村を舞台にした青春喜劇であり、岩手山麓の田頭村(現・岩手県八幡平市)でロケーションが行われた〔『自分史 わが心の自叙伝』、p.36.〕。当時俳優座に所属していた宇津井健を映画デビューさせようとする作品でもあり、俳優座が提携し、千田是也や岸輝子など俳優座のメンバーも多く出演している。 公開当時の朝日新聞夕刊(日時不詳)で高評価を受け、日本以外にソ連でも一般公開されるなど、中川信夫が監督した文芸映画の中では評価が高い部類に入っている〔『インタビュー 全自作を語る』、p.211. 『映画監督 中川信夫』のp.210にはソ連公開時のポスターが図版掲載されている。〕。また、中川は戦時中の映画製作本数減少にともない東宝を契約解除されているが、本作の公開後、東宝撮影所前のバス停で森岩雄東宝撮影所長(当時)から声をかけられ「東宝に帰ってきませんか」と誘いを受けて、中川いわく「グッときた」というエピソードが残っている〔『自分史 わが心の自叙伝』、p.36、および『インタビュー 全自作を語る』、p.211。〕中川は東宝を契約解除になった日のことを「石をもて追はるる如くふるさとを出でしかなしみ消ゆることなし」という詩にしたためていたことをこの森との邂逅の後で思い出したと、後に自叙伝の中で語っている〔『自分史 わが心の自叙伝』、p.36.〕。 本作は後にメインタイトルを原作どおりの『草を刈る娘』に変えている。時期と経緯は不明だが、原作2度目の映画化である西河克己監督、吉永小百合主演の日活作品『草を刈る娘』(1961年)の前後にタイトルを変えて再上映されたものと推測される。CS日本映画専門チャンネルで放映された国立近代美術館フィルムセンター所蔵版(2007年7月24日初回放映)では、メインタイトルが『思春の泉』ではなく『草を刈る娘』となっているのが確認できる。ただし、現在においても正式名称は、キネマ旬報その他のデータベースでは『思春の泉』とされることから、本項目もそれに従った。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「思春の泉」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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