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determination sex =========================== ・ 決 : [けつ] 【名詞】 1. decision 2. vote
性決定(せいけってい、英語:sex determination)とは、雌雄が別の個体である生物において個体の性別が定まること〔八杉竜一ら「性決定」『岩波生物学辞典』〕〔動物においては個体の持つ生殖腺の性別が定まることも性決定と呼ぶことがある。(田中実(2009年3月)「性分化風々譚 -生殖細胞が関わる性分化- 」『性分化機構の解明 』文部科学省科学研究費特定領域研究、News letter No.4 )〕。有性生殖を行う動物や植物などには、雌性および雄性の生殖器官がある。同一個体で雌性・雄性の生殖器官双方を形成する雌雄同体の生物と、個体別に雌雄が定まる雌雄異体の生物がある。ここでは主に雌雄異体の生物の性決定について述べ、一部は雌雄同体の生物の性表現にも触れる。 == 概要 == 性決定様式を大きく分けると、遺伝によって性別が決まる遺伝性決定と、個体が置かれた環境によって性別が決まる環境性決定などの遺伝によらない性決定に分けられる〔(表1)。 遺伝性決定に関わる染色体を性染色体と呼び、X染色体・Y染色体・Z染色体・W染色体の4種類がある。雄ヘテロ型と呼ばれる性決定様式では、雌は相同なX染色体の対を持つ。雄はX染色体とY染色体を持つか(XY型)、あるいは対にならないX染色体のみを持ちY染色体を持たない(XO型)。このように性染色体の片方を持たないことを記号Oで示す。雌ヘテロ型と呼ばれる性決定様式では、雄が相同なZ染色体の対を持っており、雌はZ染色体とW染色体の組(ZW型)あるいは対にならないZ染色体のみ(ZO型)を持つ〔それぞれ、XX/XY型・XX/XO型・ZZ/ZW型・ZZ/ZO型とも表記する。また、Z染色体・W染色体の名称は正式にはX染色体・Y染色体であるが、雄ヘテロ型・雌ヘテロ型の区別を容易にするため通常はそれぞれZ・Wと表記する(『岩波生物学辞典』)。XX,XY,ZZ,ZWの個体の染色体数は一般に偶数であり、XO,ZOの個体は染色体数は一般に奇数となる。しかしながら、半倍数性決定の生物や同じ種類の性染色体を複数持つ生物(XnYn,ZnWn)の場合には当てはまらないこともある。〕。また、遺伝的に性決定をするが、性染色体によらずに倍数性によって性別が異なる半倍数性決定を行う生物もある。 環境性決定あるいは環境によって性表現が異なる例としては、爬虫類の卵が孵化温度で性別が決定する温度依存性決定(温度依存性性決定)の例や、植物体の大きさで性転換をするサトイモ科テンナンショウ属植物〔牧正之「被子植物における性表現の可塑性」『生殖細胞の発生と性分化』〕などがある。 性決定様式は近縁の生物の間でも異なっていることがある。たとえば、日本に生息するツチガエルには、雌ヘテロ型・雄ヘテロ型・雌雄同形染色体の性決定様式を持つ地域個体群がある(図 〔三浦郁夫『オスとメスはどのように決まるのか 』広島大学両生類研究施設 〕)。また、アマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミは雌雄ともにX染色体のみをもつXOの構成であり、近縁のオキナワトゲネズミは XX/XYの性染色体構成をもつ〔黒岩麻里「Y染色体を失った哺乳類,トゲネズミ」『生物の科学 遺伝』2009年1月号〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「性決定」の詳細全文を読む
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