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雌雄モザイク(しゆうモザイク、英語:gynandromorph)とは、生物において一つの個体の中に雄の特徴と雌の特徴を持つ部分が、明らかな境界を持って混在していること(モザイク状態)〔八杉竜一ら編「雌雄モザイク」『岩波生物学辞典』〕。雌雄嵌合体(しゆうかんごうたい)、性的モザイク(せいてきモザイク)と呼ぶこともある。 大多数の生物は、同じ種でも個体に性別という区別が存在する。オスとメスとで細胞の遺伝的構成は異なり、多くの場合、オスの特徴とメスの特徴は一つの個体で併存することはない。その例外の一つが雌雄モザイクである。他に細胞全体の遺伝的構成が雌雄の中間的で統一されている「間性」〔「間性」「雌雄モザイク」『岩波生物学辞典』〕がある。二つはまったく別の現象であるが、ヒトの場合、雌雄モザイク状態と間性状態を含めて半陰陽と呼ぶ。 雌雄モザイクは節足動物や鳥類で観察されている。発生や組織形成時の体細胞分裂で性染色体の脱落がおき細胞レベルでの性表現が異なる組織がモザイク状になることや、性染色体・常染色体を問わない体細胞突然変異による性ホルモン受容性が変化した組織がモザイク状になることなどが、原因として推定されている〔。 これらの説は、原因は遺伝子の異常によると考えるものだが、鳥類である鶏に関してこれらとは異なる説がある。その説は、オスの遺伝子を持つ精子とメスの遺伝子を持つ精子の2つが卵子と同時に受精し、1つの卵の中にオスとメスの2つの胚が形成され、それが融合することで雌雄モザイクの鶏が生まれるというもの。この根拠は、2010年に発表された実験で、雌雄モザイクの鶏の細胞を調べた結果、遺伝子に異常がないことが発見されたことによる。 昆虫で雌雄モザイクが比較的良く観察されることから、「昆虫には性ホルモンは無く、細胞ごとに性別が決定する」という説が昆虫学では定説〔嶋田透『昆虫の性決定の遺伝子ネットワーク』1ページ〕〔東京農工大学農学部蚕学研究室『性決定』2ページ〕となっているが、「昆虫にも性ホルモンがある可能性がある」とする研究者もいる〔嶋誠悟、山元大輔「昆虫に性ホルモンはあるか」『日本比較内分泌学会ニュース』18ページ(ギナンドロモルフと性の細胞自律的決定)以降〕。 == 脚注 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「雌雄モザイク」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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