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『怨霊侍』(おんりょうじ)は、荻野真による日本の漫画。『ビジネスジャンプ』(集英社)において、2004年14号から2005年19号にかけて連載された。全23話。単行本全3巻。陰陽道を背景とし、特殊な武術で戦う死霊退治のエキスパート「怨霊侍」を主人公としたオカルトアクション作品である。 == 概要 == 前作『おぼこ』の連載中、『ビジネスジャンプ』(以下、BJと略)がバイオレンスやセックスをあつかう作品を中心とする編集方針となったため、その方針にそぐわない『おぼこ』を一旦休載し、新たに連載されたのが本作である。『BJ』の新方針に合わせてパンチラとアクション中心をコンセプトとしており、作中で登場する女性のスタイルは、当時流行し始めたゴスロリの要素が取り入れられている〔。 『おぼこ』連載中に入院することとなった荻野が、入院中に楽しんでいたテレビゲーム『サイレントヒル』の影響を大きく受けており、主人公の武器であるハンマーは、荻野が同ゲーム中で好んでいたアイテムの鉄パイプに由来する。主人公の持つ特殊な目「双瞳」の設定は、映画『ゼイリブ』において、普段見えないものが見える眼鏡の設定が元となっている〔。また主人公たちが男女2人1組で技を繰り出すという図式は、荻野が以前描いていた『拳銃神』の終盤における、男女2人1組の殺し屋という図式が前身となっている。 『BJ』では『孔雀王』や『拳銃神』のような派手な展開はご法度とされ、行うなら1話完結の読み切りからと編集部からの指示により、本作も6本の読み切りを経て連載が開始された。それまでの入院中に誤診ながら余命半年との宣告を受けて死の恐怖を味わった荻野は、単純に恐さを求めた作品を目指し、怨霊や呪いといった負の力をテーマとしたが〔、霊や怨み、祟りなどを扱うと物語が陰気で不気味になりやすく、これを短編にするには読者の涙を誘うほかなく、荻野は物語の構成に苦労することとなった〔。主人公たちのスタイルを確立させるまでには単行本1冊分、雑誌連載期間にして半年もの期間を要し〔、さらにその頃には「話の展開を面白くするため、敢えてキャラクターの設定や物語の全体像が曖昧なままで連載を始める」という手法が災いし、物語の破綻が始まっていた。そのため単行本2巻の発行時は、『BJ』の読者がわかりやすく辻褄の合う話を好むと見たこともあり、単行本化でほとんど校正を行わなかった従来作品『孔雀王』『夜叉鴉』に対し、校正作業に倍の手間を要することとなった。 その最中で荻野は、派手な展開を好む自分に対し、読者たちはフィクション性の強い話を嫌うと睨み、読者と自分とが妥協できる展開を考えた結果、主人公の背景と世界観を中心に描こうとしていた当初の構想から、舞台を1箇所に限定し、格闘漫画や学園漫画のイメージに変更した。こうして単行本第2巻以降の展開は、荻野初のオカルト学園格闘漫画となった〔。そのために主人公が様々な場所で活躍する序盤に対し、第2巻以降の本編では舞台が主人公の通う学校にほぼ限定されており、「大学編」とも呼ばれる〔。 ようやく物語の方向性が固まったと思われたものの、『BJ』誌上での掲載位置はほとんどが末尾のほうで、常に連載終了の危機を匂わせており、人気投票の結果も期待に反して良い数字を得られず、編集部からは内容の変更を求められることとなった。『BJ』では当時の出版界の不況の打開策として、セックスをあつかう漫画を主とする風潮があったため、本作もセックス中心とするか、それとも本来の構想を維持するかの選択を迫られた挙句、荻野は連載終了を覚悟で後者を選択。結果、不人気作品の連載を軒並み終了させる「ジャンプ方式」と呼ばれる編集方針が引き金となり、連載は打ち切りとなった。それまでにも編集部の指示によって連載を終えた作品はあるものの、荻野自身は本作を「人生初の打ち切り作品」と呼んでいる〔〔。また、連載中に荻野の体調の悪化が編集部とのトラブルを引き起こしたこともあり、本作終了後、荻野は『BJ』から離れることになった〔。 最終巻の後書きにおいて荻野は、いずれ本作の続きを別作品として再開すると語っており〔、後の連載作品『孔雀王 曲神紀』の後書きにおいて、同作の登場人物である王仁丸六角が、本作の登場人物と同一人物であり、同作の展開こそが本作の再開であることが語られている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「怨霊侍」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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