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『恋の都』(こいのみやこ)は、三島由紀夫の9作目の長編小説。全20章から成る。敗戦と共に切腹した右翼塾生の恋人のことを思いつづける才色兼備のジャズ・バンドのマネージャーが、彼女の元へ届けられた一本の白檀の扇をめぐって新たな運命にぶつかる恋愛物語。戦後の復興期の東京の風俗や芸能界の活気を取り入れた娯楽的な趣の中にも、敗戦から冷戦時代への移行を背景に、戦争に翻弄された男女の複雑な運命が日本とアメリカとの関係を軸にして描かれている。 1953年(昭和28年)、雑誌『主婦之友』8月号から翌年1954年(昭和29年)7月号に連載され、同年9月20日に新潮社より単行本刊行された。文庫版はちくま文庫で刊行されている。 == 時代背景・主題 == 『恋の都』の執筆された前年の1952年(昭和27年)にGHQの占領は一応終るが、まだ当時の東京は占領下の延長線上にあり、作中でも米国人に対する日本人の肩身の狭さが所々に読みとれる〔千野帽子「恋するすべての女の子へ、応援と励まし。」(文庫版 『恋の都』)(ちくま文庫、2008年)〕。また、「MSA」という言葉が何の説明もなく作中に記されているが、『恋の都』刊行翌年の1954年(昭和29年)に日本はMSA協定(安全保障協定)に調印することとなる。さらに、「国際賭博容疑」(銀座で国際賭博を開き、米国人のクラブオーナーが手入れを受ける)、「北九州大水害」などの話題も出てきたり、精神病院の代名詞として「松沢病院」という言葉も使われ、当時の時事ネタや事件や世相が随所に含まれている〔。 三島は連載にあたって、自作について次のように語っている。 三島が永い目で見てほしいという『恋の都』のヒロイン・まゆみの人物造型は、三島の死んだ年(1970年)以後もグアムやルバング島に潜伏してサバイバルな戦争を続けていた日本兵(横井庄一、小野田寛郎)に似ていると千野帽子は説明し、まゆみの中では、「国家」や「日本」の輪郭が、周囲の浮ついた戦後を生きている人物たちよりも、明確になっているとしている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「恋の都」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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