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恵庭岳(えにわだけ、アイヌ語: e-en-iwa)は、北海道の支笏洞爺国立公園にある第四紀火山である。標高は1,320 mで、1991年に気象庁より活火山に指定されている。アイヌ語の山名、「エ・エン・イワ」は「頭が・尖っている・山」を意味する。恵庭市の名前の由来でもある。 == 地史 == 約4万年前の巨大噴火により現在の支笏湖をとり囲む支笏カルデラが形成された。このカルデラ壁上の後カルデラ火山群として第四紀以降に風不死岳、恵庭岳、樽前山の順に噴火活動が開始された。この3つの火山は北海道がのる北アメリカプレートの下に太平洋プレートが潜り込む方向に沿って連なっており、プレートに押されてできた割れ目に沿ってマグマが上昇したものとされている。 恵庭岳はカルデラ壁の北西部に位置し、山体は溶岩ドームと多数の溶岩流から構成された急峻な形状である。溶岩流は支笏湖の湖中まで流入しており末端部では数10mから100m以上の厚さになっている。その噴火活動は大きく6つの期間に区分される。 ;第1期 :約2万年前に溶岩流の噴出により火山体の原型が形成された。第1期の山体は以降の噴火活動により覆い隠されており規模・形状は不明であるが、32km東方の千歳市祝梅三角山遺跡付近でこの時期の火山灰が確認されている。 ;第2期 :約1万5千年前に大規模なプリニー式噴火が起こり、10km3の火山灰や軽石を噴出した。火山灰は日高山脈を超え150km離れた帯広周辺にまで分布している。軽石は25km離れた千歳市街で2m以上の層となっている。この噴火の軽石は粒が大きく赤褐色を呈する特徴的なもので、地層年代特定の鍵層として利用される。 ;第3期 :山頂から東側、丸駒温泉からポロピナイ方面に複数の溶岩流が流下する。 ;第4期 :山頂から南および北側に溶岩流が流下する。 ;第5期 :約2千年前に西側に溶岩が流れ、山麓のオコタンペ川を堰き止めオコタンペ湖を形成した。恵庭岳の現在の山容は第5期までの溶岩流により形成された。この時期にできた溶岩流で山頂から山麓まで続くものの上に札幌オリンピックの滑降コースが作られた。 ;第6期 :17〜18世紀には水蒸気爆発による活動が継続した。これにより山頂東部が崩壊し東西700m、南北500mの東側に開いた馬蹄形の火口が形成された。爆発による崩壊物は大規模な岩屑なだれとして東のポロピナイおよび西のオコタンまで流下した。 活動期間を通じて火口は支笏カルデラ壁に平行に東から西へと移動している。また初期の溶岩は二酸化ケイ素成分の多いデイサイトであるが、活動の後期になるにつれ比較的二酸化ケイ素の少ない安山岩に変わっている。 第6期以降は顕著な噴火活動はなく山体は森林に覆われているが、現在も火口内および火口東方の山腹から噴気が続いている。 さらに噴火活動によるものではないが山頂付近の溶岩ドームは崩落により危険な状態となっており、山頂への立ち入りが禁止されている。特に2003年の十勝沖地震以降は崩落が進んでいる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「恵庭岳」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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