|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 悪 : [あく, わる] 【名詞】 1. bad thing 2. bad person ・ 悪魔 : [あくま] 【名詞】 1. devil 2. demon 3. fiend 4. Satan 5. evil spirit ・ 魔 : [ま] 【名詞】 1. demon 2. devil 3. evil spirit evil influence ・ 来 : [らい] 【名詞】 1. since (last month) 2. for (10 days) 3. next (year) ・ 笛 : [ふえ] 【名詞】 1. flute 2. pipe ・ 吹く : [ふく] 1. (v5k) (1) to blow (wind, etc) 2. (2) to emit 3. to spout
『悪魔が来りて笛を吹く』(あくまがきたりてふえをふく)は、横溝正史の長編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。 本作を原作とした映画2本、テレビドラマ4本、舞台が1作品、現在(2014年3月)までに制作されている。 == ストーリー == 昭和22年(1947年)9月28日、金田一耕助の元を訪れたのは、この春、世間をにぎわした天銀堂事件の容疑を受け失踪し、4月14日、信州・霧ヶ峰でその遺体が発見された椿英輔・元子爵の娘、美禰子(みねこ)だった。 「父はこれ以上の屈辱、不名誉に耐えていくことは出来ないのだ。由緒ある椿の家名も、これが暴露されると、泥沼のなかへ落ちてしまう。ああ、悪魔が来りて笛を吹く。」 父が残した遺書を持参した美禰子は、母・子(あきこ、以下「秋子」〔「」は火偏に禾だが、一部の日本語環境で表示できないため、「秋」の字で代用する。〕)が父らしい人物を目撃したと怯えていることから、父が本当に生きているのかどうか、明晩、砂占いを行うことになったことを説明した後、金田一耕助にその砂占いへの同席を依頼する。 麻布六本木の椿家に出向いた金田一は家族とともに砂占いに同席するが、途中で停電が発生。その回復後に、家の中に椿子爵作曲になる異様な音階を持つ曲「悪魔が来りて笛を吹く」のフルート演奏が響く。これはレコードプレーヤーによる仕掛けだったが、その間に砂占いに出た火焔太鼓のような模様に、家族の一部の者は深刻な表情を見せる。美禰子はその絵が死んだ子爵の手帳に「悪魔の紋章」の名で描かれていたことを告げる。そしてその夜、椿子爵と思しき男が子爵のフルートを持って屋敷に出現。翌朝、椿邸に居候している玉虫公丸・元伯爵が何者かによって殺されているのが発見される。砂占いの所には、前夜と同じ悪魔の紋章が血で描かれていた。警察は庭から子爵のフルートケースを発見、その中には天銀堂事件で奪われた宝石が一つ入っていた。金田一は等々力警部から子爵を告発したのがタイプ打ちの匿名の手紙で、子爵の事情に詳しいものであったことを知る。子爵は天銀堂事件の後、宝石の換金について書生の三島に相談したとあり、三島はそれを認めた。家人の聞き取りを進めるうち、秋子の兄で、焼け出されて同居している新宮利彦が酒を飲んで乱入、背中にある「悪魔の紋章」そっくりの痣を見せる。 金田一たちは子爵についてより詳しい調査の必要を感じる。子爵を告発した手紙には、彼が事件前後に姿を消していたこと、帰ってくると宝石の換金について書生の三島と相談したという経緯が記されていた。警部は、子爵が長くその行き先を警察に言わなかったが追い詰められてそれを告げ、確認が取れたことで解放されたと説明した。さらに例の遺書が書かれたのが天銀堂事件容疑の逮捕前であったこと、子爵の自殺はその事件以外に理由があることがわかった。金田一は事件前後の子爵の行動には隠された意味があると判断し、若い出川刑事と共に西に向かった。まず、子爵が宿泊した神戸の旅館に入り、子爵がここに宿泊している間に深刻な事実を発見したと判断した。女将の話で、近くに玉虫伯爵の別荘跡があり、戦前には玉虫家の家族が何度も訪れ秋子もよく見かけたこと、また、手伝いに上がっていた娘・おこまがそこの誰かの種で妊娠し、植木屋と結婚させられて小夜と言う娘を産んだことを聞き取る。 翌日、金田一は子爵の行動をさらに追跡し、玉虫伯爵の別荘跡で子爵の手になる「悪魔ここに誕生す」という落書きを発見する。出川の方はおこまに関する情報を追い、その父・植辰が空襲で死んだことを知る。彼はなぜか「金づる」を持ち、植木屋をやめて仕事を転々としたあげくの死であった。それを聞いた女将から、彼の最後の妾はおたまと言い、おこまと他の妾に産ませた子・治雄だけが彼の生きた身寄りであることを聞き取る。出川はおたまの居場所を探るが、最近の仕事場を出奔したばかり。そこに先日、淡路の尼、妙海が来たことを聞き出す。金田一たちはその尼がおこまであり、子爵は彼女に会いに行ったと判断、翌日淡路に向かう。だが、妙海は前夜に殺されていた。彼らは住職から、小夜の父が新宮であることと小夜が自殺したこと、おこまが彼の死を予想したことを聞く。淡路から帰った2人は新宮が殺されたことを聞かされる。 金田一は単身東京に戻った。彼はそこで新宮が家族がみんな家を出た間に絞め殺されたことを聞き、しかも家族が家を出た用が全て新宮の企みであったことを見抜く。新宮は妹の秋子から金をせびるために家族を追い出したのだ。 金田一はこの事件と天銀堂事件の犯人について考え、モンタージュ写真で引っかかったくらい天銀堂事件の犯人と子爵は似ていたはず、今回の犯人は天銀堂事件の犯人を手下にしていたと判断。そして、天銀堂事件の犯人は惨殺死体で発見された。同日、金田一が磯川警部に調査依頼した返事があり、書生の三島は正体不明の別人であることが判明する。さらに、出川刑事の調査報告もあり、小夜子は自殺時に妊娠していたこととその相手は治雄であるらしいこと、その治雄が三島であることまでが判明した。 等々力警部と金田一は大雨の中、椿邸に向かった。そこでは秋子の気まぐれで鎌倉に引っ越す準備中。しかも、その最中に秋子が「悪魔の紋章」を見て逃げ出すように家を出たという。全員で後を追うが、鎌倉に着いたとき、秋子は主治医の目賀博士が調合した持病の薬を飲んで死んでいた。翌日、金田一は残った全員の前でトリックを解明する。その上で犯人を指摘しようとしたところ、当の三島は自ら名乗り出る。彼は新宮が妹の秋子を犯して産ませた子であり、その背には父と同じ痣があった。彼はそうとは知らずやはり新宮の子である小夜を愛し、小夜はそれを知って自殺。彼は全ての恨みを晴らすべく子爵を脅して家に入り込み、そして彼や小夜の運命をつくった者たちに復讐したのだ。 彼は最後に「悪魔が来りて笛を吹く」を演奏して見せた。その曲は、戦争で右中指と薬指を欠いた彼でも演奏できるように作曲されていたのだ。彼はそれを演奏し終わると同時に、笛に仕込んだ毒で死んだ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「悪魔が来りて笛を吹く」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|