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『愛と笑いの夜 -a Night of Love & Laughter-』(あいとわらいのよる ア・ナイト・オブ・ラヴ・アンド・ラフター)は、1997年1月15日に発売されたサニーデイ・サービス通算3作目のスタジオ・アルバム。 == 解説 == 前作『東京』〔『東京』 1996年2月21日発売 RHYME ⁄ MIDI CD:MDCL-1303〕以降にリリースされたシングル〔「ここで逢いましょう」 1996年7月5日発売 RHYME ⁄ MIDI CD:MDCS-1001〕〔「サマー・ソルジャー」 1996年10月25日発売 RHYME ⁄ MIDI CD:MDCS-1004〕でその片鱗を窺わせていたバンドとしてのダイナミズムを獲得した作品。また、それまでバンドが紹介される時の常套句だった“70年代”や“はっぴいえんど”といったキーワードは本作をリリース以降、減っていくことになる。 短絡的に“暗い”と評される本作を曽我部恵一は「このアルバムを好きな人って男が多いね。『愛と笑いの夜』は、付き合ってた子と別れたことがテーマになっていて。それプラス、ウォン・カーウァイの『天使の涙』とオアシスのサウンドをミックスしてるってところがすごいよね」〔『splash!!』volume 03(双葉社)pp.172-175、2010年5月23日発行〕とし、曲作りは1週間ほどだったという。「一気に書き上げたよね。別れたショックから立ち直らないうちに書いちゃおうと思って、“おいしい”って」「“おいしい、この状況”と思って。一瞬、別の子と付き合ったりして、それも別れたりして、それも“おいしい”と思って。夏の想いとか重ね合わせたりして、それで<サマー・ソルジャー>〔とか作ったり」〔と、当時の状況を語っていた。 歪んだギターの音色が随所に顔を覗かせるなどサウンドの変化については「ガレージですよ、これ。ああいう、ギターをガーッてやった時のインパクト。そういうのだけって感じ、今回は。だからストーリー性だったり、歌詞に深い意味があったり、そういうのは全然求めてなかったっていうか。ダイナミズムだけ。聴いた瞬間に、映像が頭の中に広がるようなものが。なんかあるじゃないですか、そういうもんって。分析して“ここがいいんだ”っていうよりも、もう音がガーンってやってて、それでグッとくる音楽」「歌詞が英語なのになんか映像が浮かんでくるようなものとか、そういう音楽があるじゃないですか。そういうものがやりたかった。だから、説明して良さがわかるとか、そういうもんじゃなくて。聴いた瞬間にもう……なんて言うのかねえ? ロックとかポップスの持っているダイナミズムみたいなものだけを。だから、歌詞で何を歌っているとかどんなアレンジだとか、そういうのは全然関係なくて。歌詞と音が一緒になって、ある人の声でそれが歌われた時に、パッとなんか広がるような感覚? レコードが単なるソフトっていうか、そういう考えで誰も音楽聴かないじゃないですか。単なるソフトで、再生すると音が流れて来るっていうんじゃなくて。ほら、もっと多次元っていうか」〔『ROCKIN'ON JAPAN』JANUARY 1997 VOL.125(ロッキング・オン)pp.58-69、1997年1月16日発行〕という。 また、アルバム・タイトルについては「そういう本があったんですよ、昔のアメリカの短編小説集で……ヘンリー・ミラーだったと思うけど。で、すごくいい言葉だなと思って。愛が溢れる感じで。それで<愛と笑いの夜>って曲を作った。なんか楽しい時って感じですよね。人生の基本ですよ。苦悩ばっかり歌ってもしょうがないですからね。今回はそういうね、愛が溢れる事をやりたかった」〔というが、実際には“日々”だったらそれに“夜”も含まれるからという理由で一旦は“愛と笑いの日々”に変更された。しかし最終的には元の“愛と笑いの夜”に決まった。その経緯を曽我部は「それは、日々気持ちは変わりますからねえ。錯乱して“日々”にしたんです。それは錯乱だったから、軌道修正した」〔とし、「いや、だからそうだったんですよ、“日々”にした理由は。でもそれっていうのは、単に器を広げるだけで、核になるところが逆にボヤけるな、もっと最初のインスピレーションに忠実な方がいいなと思って。“日々”だったら、それこそありとあらゆるものが入るだろうし。それをもっと集約させて“夜”にする。全部ギュッと入れて、“夜”にしたかったんです。“日々”に集約させることって、たぶん簡単だけど……ある一日の、ある夜っていう、そこに物事を集約させるのってすごい難しいと思うんですよ。でも、その方が核ははっきりする。一年間っていうのの中にいろんな要素があるとか……春何して、夏何してっていうのじゃなくて。ある1日、さらにそのある夜っていうふうに集約させた方が、もっと濃密なものができる。そういうのが一番欲しかったものだなって思って。濃密な空気っていうか。だってCDなんて45分とかでしょ。そこにどれだけ濃密な愛とか笑いとか悲しみとか、そういうものを入れられるかっていう」「ロックのダイナミズム。ガーンと来て、聴いた人の脳の中でパッと広がる」〔と説明している。 アルバム・ジャケットのためのフォト・セッションは香港で行われたが、その理由は「ビジュアルイメージは『天使の涙』だから、全部。これはすごくやりたいことが明確だったアルバムです」〔としている。 「サマー・ソルジャー」は本作に先駆けてシングル・リリースされたが、アルバム収録に際し再度ミックスし直されている。また、曲間にはブランクがほとんどないか、あるいはクロスフェードで全曲が繋がった構成になっている。また、「雨の土曜日」と「サマー・ソルジャー」は、後にベスト・アルバム『Best Sky』〔『Best Sky』 CD:2001年5月23日発売 MIDI MDCL-1407, 2LP:2001年6月25日発売 CXLP-1039/40〕に収録された。そのほか、「96粒の涙」の未発表テイクが、2013年リリースの2枚組ベスト・アルバム『サニーデイ・サービス BEST 1995-2000』〔『サニーデイ・サービス BEST 1995-2000』 2013年6月26日発売 MIDI 2CD:MDCL-1538/39〕に収録された。 初回限定盤はスリップケース付きデジパック仕様。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「愛と笑いの夜」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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