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愛知環状鉄道線(あいちかんじょうてつどうせん)は、愛知県岡崎市の岡崎駅から新豊田駅を経て、愛知県春日井市の高蔵寺駅に至る愛知環状鉄道の鉄道路線である。通称愛環線(あいかんせん)、または愛環(あいかん)。 なお、この路線の大部分の区間の前身となった岡多線(おかたせん)についても本項で記述する。 == 概要 == 愛知県中部の都市である岡崎市・豊田市・瀬戸市・春日井市を結んでいる。ほぼ全区間が立体交差化され高架線などになっており、愛環線内の踏切は岡崎駅を出てすぐのJRとの並走区間にある1か所のみである。多くの区間で複線化が進められ、2005年(平成17年)3月25日から9月25日まで開催された2005年日本国際博覧会(愛・地球博、愛知万博)会場へのアクセス路線の一つとして、輸送力増強が行われた。 岡崎 - 新豊田間は旧日本鉄道建設公団(鉄建公団)が主要幹線(C線)〔根岸線や石勝線、長崎本線長崎トンネル経由の新線(浦上線)、伊勢線などと同ランク。〕 として建設して日本国有鉄道(国鉄)の路線として開業し、後に日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)により特定地方交通線に指定された東海旅客鉄道(JR東海)の岡多線を転換した区間、新豊田 - 高蔵寺間は同じく旧鉄建公団がC線として建設した岡多線の一部(新豊田 - 瀬戸市間)と瀬戸線(せとせん)の一部(瀬戸市 - 高蔵寺間)を第三セクター会社設立後に完成させ開業した区間である。また、岡多線は特定地方交通線の中では唯一の第三セクター転換前に電化されていた路線である。岡多線は岡崎から新豊田、瀬戸市を経て多治見まで計画された路線だが、このうち開業できたのは岡崎 - 瀬戸市間に留まった(詳細は後述)。 沿線には、高校が多く点在するが、県立高校普通科は豊田市(三河学区)と瀬戸市(尾張学区)の市境が学区の境界となっているので(調整特例などはない)、学区境界を越えて通学できるのは、開業時は私立高校か全県学区の公立高校の職業科及び定時制課程だけであったが、2007年(平成19年)4月に豊田東高等学校、2008年(平成20年)4月に岡崎東高等学校、2009年(平成21年)4月に瀬戸北総合高等学校と、全県学区の総合学科の高校が次々設置されたため、沿線全域から通学できる県立高校が増加することになった。また、沿線には大学も多く点在し、愛知工業大学や中京大学豊田キャンパスなど、岡多線の開業を当て込んで、1970年代から早々と名古屋市内から沿線に進出した大学もある。さらに、トヨタ自動車本社及び工場群も点在している。 2011年(平成23年)度の輸送密度は約9,816人/日である〔(国土交通省鉄道局監修、運輸政策研究機構発行『数字でみる鉄道 2013』(ISBN 978-4-903876-51-1 2013年10月31日発行) p.66〕 が、これは旧国鉄路線から転換された第三セクター鉄道では最高であり、輸送密度が8,000人/日以上である〔仮にこの数値を国鉄再建法により規定された区分に当てはめた場合、「地方交通線」ではなく「幹線系線区」に該当する。〕 のもこの路線のみである〔2010年(平成22年)度は北越急行ほくほく線もそうであった。〕。このように近年は輸送密度が毎年のように9,000人以上を記録し、経営状態の苦しい企業が多い第三セクター鉄道の中では珍しく黒字経営が続いている。2012年(平成24年)度は2,660万円の経常損失となったが、補助金等の支援で約2,100万円の利益を計上した〔 - 愛知環状鉄道〕。 鉄道評論家(鉄道アナリスト)の川島令三は著書にて「1998年度現在の輸送密度(約5,138人)から見て、第三セクターではなくJR東海の路線となっていてもおかしくない路線である。国鉄は各線の事情を考慮せず、一律に(特定地方交通線に)指定して(廃止・第三セクターへの経営分離をして)しまうというミスを犯してしまった」と指摘している〔川島令三『全国鉄道事情大研究 名古屋東部篇』草思社、p.211 (ISBN 4794211406 / ISBN 978-4794211408) 2002年6月25日第1刷発行〕。 国鉄時代に複線の鉄道路線として整備されたため、単線区間の東側にもう1線分の用地があらかじめ確保されており、トンネルなどもそれに準じた規格で作られている。そのため比較的容易に複線化が行える構造となっているが、愛環発足から10年以上経過してから新設された貝津駅と愛環梅坪駅に関してはプラットホームが1面1線の片面ホームで作られており、愛環発足時に新設された大門駅に至っては複線化用路盤上にホームが設置されている〔三河豊田 - 新豊田間に位置する新上挙母駅もかつては大門駅と同じ構造であったが、同区間の複線化にあたって2面2線化する際に旧ホームは撤去され、新ホームに付け替えられている。〕 ため、これらの駅周辺の複線化は容易ではない。また普段使われていない東側の用地は、橋の更新工事などを行う際の仮線を敷く際に利用されることがある。 運賃は「愛知環状鉄道#運賃」を参照。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「愛知環状鉄道線」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Aichi Loop Line 」があります。 スポンサード リンク
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