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パンチドランカー(Dementia Pugilistica、DPと略す)とは頭部への衝撃から生じる脳震盪を起因とする神経変性疾患及び認知症に似た症状を持つ進行性の脳障害疾患のこと。また、そのような状態にある人間を指す。ボクサーに多く見られる疾患であること、最初に見つかった発症者がボクサーだったことから、慢性ボクサー脳症(chronic boxer's encephalopathy)、外傷性ボクサー脳症(traumatic boxer’s encephalopathy)、拳闘家痴呆(boxer's dementia)、慢性ボクシング外傷性脳損傷(chronic traumatic brain injury associated with boxing 、CTBI-Bと略す)、パンチドランク症候群(punch-drunk syndrome)などの別称がある。最近の研究でボクサーだけでなくアメリカンフットボールやアイスホッケー、プロレスリングなど繰り返し頭部へ衝撃を受けることのあるコンタクトスポーツのアスリートにも発症することが分かり、慢性外傷性脳症(Chronic traumatic encephalopathy、CTEと略す)と呼ばれるのが一般的になっている。 認知症や神経変性疾患とは脳内で実際に起こるメカニズムが違い、頭部(脳)への衝撃による外傷が発症の起因となるなど異なる疾患であるが、症状が似ている事に加え、死後に脳を解剖することによってしか最終的な診断ができないことから、これらの疾患と混同されることが非常に多い。 ボクシングをはじめてから平均して15年後ぐらいに発症する選手が多く、ボクサーの約20%が患っていると言われている〔。 ==要因== 頭部に強い衝撃を繰り返し受けることがパンチドランカーの危険因子になると一般的には考えられているが、頭部に衝撃を繰り返し受けている全てのアスリートが発症しているわけでは無く、2005年ごろから本格的な研究が始まったばかりの疾患ということもあり詳しいことはまだ判明しておらず、遺伝の可能性や被曝の程度など様々な研究調査が続けられている。 格闘技におけるダウンは、いわゆる脳震盪が最大の要因である。「震盪」とは、激しく揺り動かす・激しく揺れ動く、という意味で、脳震盪とは脳が頭蓋内で強く揺さぶられることを指す。脳震盪により、大脳表面と大脳辺縁系および脳幹部を結ぶ神経の軸が広い範囲で切断などの損傷を受けることで、ダウンが起こる。 ボクシングは他の格闘技と比べて頭部へダメージが集中するためパンチドランカーに陥り易いとされているが、2015年1月30日に発表された、米国クリーブランド・クリニックを中心とした研究グループが4年間に渡って収集分析した研究結果でも「ボクサーは総合格闘家と比べて、年齢にかかわりなく全般的に結果が悪く、ボクサーの脳容量は総合格闘家よりも小さく、知的に後れを取っていた」と実証された。アルバータ大学が2015年11月に発表した、試合後に選手が義務付けられているメディカルチェックを10年分、総合格闘家1,181人、ボクサー550人を対象に再調査した結果でも、切り傷や捻挫などの軽症を負ったのはボクサーの49.8%に対して総合格闘家が59.4%と上回ったが、脳震盪や失神、骨折や目の損傷などの重症を負ったのは総合格闘家の4.2%に対してボクサーが7.2%と上回り同様に実証された。その理由については、ボクシングは攻撃が許されている範囲が頭部と胴体に限定されているため、ルール的に頭部へダメージが集中しやすい構造となっており、関節技やローキックなど頭部以外へダメージが分散される他の格闘技よりも頭部のダメージの多くなっていることや、特にプロボクシングは勝利のために相手をノックアウトすることを狙う格闘技であり、興行という観点からも派手なノックアウト勝利を至上とする風潮が根強いためノックアウトを奪いやすい頭部への打撃が多いこと、ボクシングは試合時間(ラウンド数)が他の格闘技より長いためダメージが蓄積しやすいこと、などが指摘されている。 ボクシング、空手、キックボクシング(K-1)、総合格闘技、プロレスなどの格闘技選手に限らず、競技中に激しい衝突が起きるラグビー、アメリカンフットボールなどの選手、落馬事故によって頭部への受傷を経験した競馬の騎手、またスポーツ選手以外にも、爆風で飛ばされた兵士、家庭内暴力の被害者、ヘッドバンギングの経験者などにもパンチドランカーの症状が見られることがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「パンチドランカー」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Dementia pugilistica 」があります。 スポンサード リンク
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