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chronic thyroiditis =========================== ・ 慢性 : [まんせい] 【名詞】 1. chronicity ・ 甲状腺 : [こうじょうせん] 【名詞】 1. thyroid gland ・ 状 : [じょう] 1. (n,n-suf) shape ・ 炎 : [ほむら, ほのお] 【名詞】1. flame 2. blaze
慢性甲状腺炎(まんせいこうじょうせんえん、)あるいは橋本病(はしもとびょう、)は、甲状腺における自己免疫疾患の一種である。 この病気は、自己免疫疾患として認識された最初の病気であった。 慢性甲状腺炎は、北アメリカおよび日本における原発性甲状腺機能低下症の原因のなかでもっとも頻度が高いものと考えられている。女性に多く(男性の10倍から20倍)、また45歳から65歳の年齢層で多くみられる。 == 歴史 == 1912年に九州大学の橋本策は摘出した橋本病患者の甲状腺の病理所見を詳細に検討し、胚中心を伴うリンパ濾胞形成、甲状腺濾胞の破壊像、濾胞上皮の好酸性変性、間質の線維化と増大という慢性甲状腺炎の病理所見をまとめ、ドイツ留学中に論文を発表した〔Hakaru Hashimoto: ''Zur Kenntnis der lymphomatösen Veränderung der Schilddrüse (Struma lymphomatosa).'' Archiv für klinische Chirurgie, Berlin, 1912, 97: 219−248.〕。当時はあまり注目されずその後帰国して伊賀にて開業医として過ごした。1940年代より免疫学が発達して、自己免疫という概念が形成された。これらの研究の中で、甲状腺組織やサイログロブリンでウサギを免疫すると血中には甲状腺やサイログロブリンに対する抗体が生じるばかりではなく、甲状腺が破壊され橋本策が報告した病理組織像と類似の所見が得られることが判明した〔Lancet. 1956 271 105-9. PMID 13347092 〕〔J Immunol. 1956 76 408-16. PMID 13332242〕〔Lancet. 1956 271 820-1. PMID 13368530〕。さらに慢性甲状腺炎患者に甲状腺に対する自己抗体が存在することも証明され、その抗体価は低下症の程度と相関することも明らかになった〔Biochem J. 1958 69 248-56. PMID 13546173 〕。なお当時はオタクロニー法による検査であり現在の高感度法とは異なる。高感度法での抗TPO抗体や抗Tg抗体の抗体価は組織破壊や甲状腺機能低下症への寄与は少ない。 このような研究をおこなったのは米国ボルチモアのJohn Hopkins大学のRoseや英国ロンドンのMiddkesex病院のDoniachのグループであった。彼らははじめにこのような病理所見を報告した橋本策に敬意を祓い、Hashimoto's thyroiditisという名称を使用したため欧米でこの名称が定着した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「慢性甲状腺炎」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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