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憑きもの筋[つきものすじ] 憑きもの筋(つきものすじ)とは民間信仰の一。日本のいくつかの農村では、憑きものは家系によって起こると信じられ、その家は憑きものを使役して、他人から財物を盗んでこさせるので、総じて富裕な家が多く、また、憑きものを他人に憑けたりすることもあると考えられ、忌み嫌われていることが多い。 == 概要 == 実際に憑依する霊には狐のほかに、雲伯では「人狐(にんこ)」、濃尾・甲信・伊豆では「クダ」、北部九州では「ヤコ(野狐)」、中国山間部では「ゲドウ(外道)」、四国一円・九州東南部では「犬神(狗神)」、関東では「オサキ」、東北では「イヅナ(飯綱)」などが良く知られている。これらは現地では、いずれも小型の鼬(いたち)のような姿形をしていると信じられ、目撃談も数多く(しかし実際には幻覚かイタチである)、江戸時代の紀行誌にもこれらの名前や、村人から聞いたとされる怪異譚が散見される。ほかに、四国から因伯作においては「トウビョウ」「スイカズラ」「ナガナワ」といったものが憑くと信じられており、こちらは蛇のような姿をしているという。またゴンボダネとよばれる憑きもの筋は、飛騨高山においては他の狐憑きと同様「七十五匹」とも言われるが、通常「牛蒡の種のように人に憑く、生霊」と説明される。鳥取県伯耆地方では人狐、トウビョウなどの憑いた家を「ソンツル」ともいう。 また、これらのものが「憑く」とされた家系から嫁を貰うと、「憑きもの」も一緒についてきて、嫁ぎ先に災いをもたらすともいわれる。これらの家系のものは民俗学上「憑きもの筋」と呼ばれ、主に江戸時代以降広まった考えと思われる。現在でも一部の地域ではこれらの信仰は残っているため、縁戚関係の忌避など、差別の対象とされている。これらの筋の家は、憑きもの筋の発生の源は「僻み」であるため、その多くが旧来の居住者ではなく、二次的な移住者で、富裕なものが多い。 小松和彦は「憑きもの筋同士は特に忌み嫌わない」「トランス状態を伴わない」「何かの印として認識される」ことから、憑依ではなくstigmaではないか〔小松和彦 『憑霊信仰論』 29頁〕とする
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「憑きもの筋」の詳細全文を読む
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