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懲罰部隊(ちょうばつぶたい)とは、軍隊の中で、脱走兵などの軍規違反者を集めて編成した特別な部隊のことである。広い意味では軍規違反者に限らず、一般の刑法犯罪者を動員した囚人部隊も含まれる。埋葬のような不快な任務や地雷処理などの危険な任務を与えられることが多い。第二次世界大戦期のドイツやソビエト連邦に存在した。国や制度の違いから、懲罰大隊、執行猶予部隊などとも呼ばれる。 == ナチスドイツ == ナチス・ドイツには、懲罰部隊と呼びうる数種の部隊が存在した。 ドイツ陸軍には、軍規違反者に対する前線での執行猶予制度(Frontbewährung)があり、執行猶予大隊()と呼ばれる懲罰部隊があった。第二次世界大戦中には、師団級の懲罰部隊として、第999アフリカ軽師団 (:de:Strafdivision 999, AKA Bewährungseinheiten 999, Bewährungstruppe 999)も作られ、その一部が基幹となったロードス突撃師団も編成された。師団級の部隊に関しては全員が懲罰兵というわけではなく、一般部隊も編制内に含まれていた。また、戦闘能力では一般部隊に必ずしも劣るものではなく、北アフリカ戦線などで勇敢な戦闘を繰り広げた。ドイツ陸軍の懲罰部隊にしばしば見られた部隊番号の「999」は、イギリスのスコットランドヤードにつながる緊急通報用電話番号「999」に由来するともいわれる〔Mitcham, W. Samuel, ''German Order of Battle: 291st-999th Infantry Divisions, Named Infantry Divisions, and Special Divisions in World War II'', Stackpole Books, 2007, p.257〕。 また、武装親衛隊(武装SS)の懲罰部隊としては、第36SS武装擲弾兵師団、いわゆるディルレヴァンガー部隊があった。これは、本来は検挙された密猟者によって編成された部隊で、その後、一般犯罪者からの志願兵や、軍規違反で有罪となった兵士も送り込まれた。ソ連領内出身のロシア人や民族ドイツ人も多く、外国人が半数を占めた。最後には強制収容所にいた政治犯までもが動員された。兵員の半数以上が陸海空軍から、10-15%が武装SSからの執行猶予者であった。下士官の大半は密猟者で、士官は懲罰により降格の上で転属させられた者だった。軍紀は劣悪だった〔スティン(2005)、346-347頁。〕。 東部戦線占領地での民間人処刑を行ったアインザッツグルッペン(特別行動部隊)も、懲罰部隊としての性格がある組織である。武装SSからの特別行動部隊への配属は懲罰の一環だった。遅刻などの軽微な罪状で軍法会議にかけられた武装SS隊員について、志願と引き換えに免責を認めた。厳罰回避と武装SS隊員としての地位保身のため、これに応じて志願する者があった。特別中隊で転属前教育を受ける中で特別行動部隊の実態を知ることになるが、途中で大量虐殺への加担を拒んだ者は、志願ではなく命令により転属させられることになり、これをも拒否すれば銃殺刑となった〔スティン(2005)、341頁。〕。 ドイツ軍に協力する元ソ連兵捕虜からなるロシア人部隊にも懲罰部隊が存在した。懲罰中隊が編成され、イタリア戦線などで戦った〔ポリャーン(2008)、515頁。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「懲罰部隊」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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