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anticonvulsive =========================== ・ 抗 : [こう] (pref) anti-
抗てんかん薬(こうてんかんやく、Anticonvulsant、antiseizure drugs)は、てんかん及び痙攣に使用する薬品である。これらはハイリスク薬である。治療域と有毒域が近いため治療薬物モニタリングが必要になる薬が含まれる。 == 一般的な抗てんかん薬 == ;バルビツール酸系 ;;フェノバルビタール(PB)(商品名:フェノバール®、ワコビタール®、ルピアール®、ノーベルバール®) :強直間代発作が他剤で止まらない場合に追加すると奏功することがある。ノーベルバール®の静脈注射または点滴、またはフェノバール®筋肉注射などがよく用いられる。半減期が非常に長く1日1回投与で十分である。副作用の小脳失調は遅れて出現するため注意が必要である。 ;;プリミドン(PRM)(商品名:マイソリン®、プリムロン®) :局在関連てんかんにおける二次性強直間代発作に有効とされている。フェノバルビタールが無効でもプリミドンが有効な場合がある。 ;;メタルビタール(商品名:ゲモニール®) ;ヒダントイン系 ;;エトトイン(商品名:アクセノン®) ;;フェニトイン(PHT)(商品名:アレビアチン®、ヒダントール®、ホストイン®) :カルバマゼピンが無効な局在関連てんかん、二次性全般化傾向の強い局在関連てんかんに用いる。症候性・潜在性全般てんかんや大発作重積でジアゼパム単独で効果不十分な時も用いられる。アレビアチン®は数少ない、点滴可能な抗てんかん薬という点で重宝する。5~7mg/Kgが標準の一日投与量であるが、急速飽和する場合は15mg/Kgを生理食塩水に溶かして60分程度で点滴する。500mgで急速飽和する場合が多い。血管外に漏れると強い痛みを起こすこと、点滴では他の製剤と混和すると結晶を作りやすいことなどに注意が必要である。治療域は10~20μg/mlと非常に狭い。単剤投与では30μg/mlでようやく発作が防止できることもある。しかしこの濃度で長期投与を行うと感覚鈍麻など末梢神経障害が出現することがある。血中濃度はある濃度を超えると指数級数的に上昇し中毒域に達する。フェニトイン中毒としては眼振、複視、歩行失調など小脳障害が有名である。その他、不随意運動、知能障害、記銘力障害などが出現することもある。低アルブミン血症患者ではアルブミン結合率が低いため遊離型増加し作用が増強される。フェノバルビタールの合剤としてヒダントール®が知られている。ホストイン®は水溶性プロドラッグ。 ;サクシミド系 ;;エトスクシミド(ESM)(商品名:エピレオプチマル®、ザロンチン®) :欠神発作には有効であるが、大発作を悪化させることがある。成人では15~30mg/Kg、小児では20~40mg/Kgが1日量となる。 ;スルフォンアミド系 ;;アセタゾラミド(AZA)(商品名:ダイアモックス®) ;;スルチアム(SL)(商品名:オスポロット®) ;ベンズイソキサール系 ;;ゾニサミド(ZNS)(商品名:エクセグラン®) :局在関連てんかんの場合は第一選択薬として用いることができる。また症候性・潜在性局在関連てんかんで補助剤として、ミオクローヌスてんかんでも用いることもある。開始量は成人で100~200mg、維持量は200~400mgである。パーキンソン病治療薬として用いられることもあるが、開発の経緯および診療報酬(類似薬効比較方式)の面から別の商品名「トレリーフ®」とされ、流用なきよう指導されている。食思不振、体重減少の副作用が有名である。 ;ベンゾジアゼピン系 ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬は発作型に関わらず有効なことがある。但しミオクローヌス発作など一部を除いて耐性の形成ができやすい。また重症筋無力症、急性狭隅角緑内障には禁忌である。長期使用により耐性と依存性が形成される。 ;;クロナゼパム(CZP)(商品名:リボトリール®、ランドセン®) :ミオクローヌス発作に有効である。1~3mgを分2で投与する場合が多い。 ;;ジアゼパム(DZP、DAP)(商品名:セルシン®、ホリゾン®、ダイアップ®坐剤) :重積状態での第一選択薬であり、救急医療の現場でよく用いられる。5mgずつ20mgまで使用することが多い。 : ;;ニトラゼパム(NZP)(商品名:ネルボン®、ベンザリン®) ;;ミダゾラム(商品名:ドルミカム®)(日本では健康保険での適応症はなく、小児科学会が適応要望を出している) :呼吸抑制が出にくいため重積状態で使いやすい。10mgを生理食塩水20mlで希釈して緩徐に静脈注射といった方法がとられる。 ;;クロバザム(CLB)(商品名:マイスタン®) :クロナゼパム、ジアゼパムなど従来のベンゾジアゼピン系抗てんかん薬が1,4-ベンゾジアゼピン(1,4位にN原子をもつ)であるのに対してクロバザムは1,5-ベンゾジアゼピンである。単剤投与では効果は限定的であるがカルバマゼピンで抑制ができなかった複雑部分発作で追加薬として用いられる。フェニトイン、ゾニサミドにも追加することがある。バルプロ酸が無効であった特発性全般てんかんの欠神発作に有効な場合もある。5mg/dayから開始し30mg/dayまで増量できる。 ;分子脂肪酸系 ;;バルプロ酸ナトリウム(VPA)(商品名:デパケン®、バレリン®、セレニカR®など) :特発性全般性てんかんの第一選択薬である。局在関連てんかんでは二次性全般化による強直間代発作に対して有効なこともある。単剤投与では20mg/Kg/day前後で有効血中濃度に達する場合が多い。治療開始に伴って嘔気が出現することがある。特に急激に増量する場合は頻発する。本態性振戦が出現し、副作用対策でβブロッカーが投与されることもある。高アンモニア血症、血小板減少症をきたすこともある。 ;イミノスチルベン系 ;;カルバマゼピン(CBZ)(商品名:テグレトール®、テレスミン®) :局在関連てんかんの第一選択薬である。特に精神症状を併発する場合に向精神作用があるため好んで用いられる。代謝産物であるカルバマゼピンエポキシドにも抗てんかん作用がある。バルプロ酸と併用するとエポキシドの作用によって血中濃度が正常でも中毒症状が出現することがあるため注意が必要である。単剤投与では8~12mg/Kgで、多剤投与では14~20mg/Kgで有効血中濃度に達することが多い。投薬開始時は一過性の血中濃度高値を示し、副作用が出現しやすい。逆に当初は有効血中濃度であっても、同じ投与量では徐々に有効血中濃度が低下している。そのため、100mg程度の投与から開始し、1週間毎に増量していくといった使い方もある。投与後1~2時間で複視、めまいといった小脳症状、1週間ほどで発疹が出現することがある。発疹は1割程度の出現率であるが重篤なものは更にその1割であり(つまり1%、100人に1人)、内服継続で軽快することも多い。SLE様の皮疹は6~12カ月で出現することがあり、可逆的であるが抗核抗体は陰性化しない。その他、低ナトリウム血症や水中毒を起こすことがある。神経痛の治療で用いた場合に不整脈の出現など重篤な副作用報告がある。神経痛に対してはプレガバリン(商品名:リリカ®)と並んでよく用いられる。 ;新規抗てんかん薬 ;;ガバペンチン(GBP)(商品名:ガバペン®) ;;トピラマート(TPM)(商品名:トピナ®) ;;ラモトリギン(LTG)(商品名:ラミクタール®) ;;レベチラセタム(LEV)(商品名:イーケプラ®) ;カンナビノイド :エピディオレックス(Epidiolex)は、大麻の成分である(CBD)を用いた医薬品で、GWファーマシューティカルズが臨床試験を行っている。この成分の多い医療大麻を用いた小児治療抵抗性てんかん19人の試験では、Dravet症候群、Doose症候群、レノックス・ガストー症候群といったてんかんの患者であり、16人(84%)が発作を軽減し、うちわけは2人(11%)は完全に消失、8人(42%)は80%以上の減少、6人(32%)は25~60%減少させた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「抗てんかん薬」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Anticonvulsant 」があります。
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