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胆汁酸(たんじゅうさん、bile acid)は、哺乳類の胆汁に広範に認められるステロイド誘導体でコラン酸骨格を持つ化合物の総称である。胆汁酸の主な役割は、消化管内でミセルの形成を促進し、食物脂肪をより吸収しやすくするものである。 肝臓で生合成されたものを一次胆汁酸という。また一部は腸管で微生物による変換を受け、その代謝物は二次胆汁酸と呼ばれる。 胆汁酸は、通常グリシンやタウリンと結び付いており、これらは抱合胆汁酸(胆汁酸塩)と呼ばれる。 ヒトでの代表的な2つの胆汁酸は、コール酸とケノデオキシコール酸である。ヒトの胆汁酸の比率は、一次胆汁酸であるコール酸(80%)、ケノデオキシコール酸(2%)、腸内細菌の胆汁酸-7α-デヒドロキシラーゼにより7-α-デヒドロキシ化された二次胆汁酸である、デオキシコール酸(15%)、リトコール酸(微量)である〔コレステロール 講義資料のページ 〕。胆汁酸、グリシン又はタウリンとの抱合胆汁酸、7-α-デヒドロキシ(脱水酸)誘導体(デオキシコール酸及びリトコール酸)は、人の腸内での胆汁から発見されたものである。 肝臓の疾病によって血液中に放出されるので、肝臓病の検査に用いられることがある。 検出法として、マックス・フォン・ペッテンコーファーが発見したペッテンコーファー反応が知られる。これは試料にグルコース加えて、硫酸を添加すると、試料が赤色になるという反応である。 == 産生及び分泌 == 胆汁酸は、肝臓にてシトクロムP450の作用でコレステロールを酸化することにより産生される。胆汁酸は、タウリン、アミノ酸であるグリシンと結びついて、あるいは硫酸塩、グルクロン酸として、脱水により塩にまで濃縮されて胆嚢に蓄えられる。人においては、コレステロール7-α-水酸化酵素により、ステロイド環の7の位置にヒドロキシ基(水酸基)が付加され7α-ヒドロキシコレステロールが合成される反応が律速反応となっている。食事をすることにより、胆嚢に蓄えられた抱合胆汁酸は腸内に分泌され、食物脂肪の乳化を促進する。胆汁酸のその他の役割としては、体からコレステロールを排出すること、肝臓から異化生成物を胆汁分泌の際に排出すること、乳化した脂質と脂溶性ビタミンを腸内でミセル化して乳糜管系から吸収させること、界面活性剤として細菌の細胞膜を溶解する作用により〔岡野哲也殺菌と界面活性剤の話 『花王ハイジーンソリューション』No.7、2004年7月発行、pp24-25〕〔研究・開発:研究概要:乳酸菌の免疫賦活作用に関する研究 (カルピス)〕小腸内や胆管での腸内細菌叢の形成を妨げること、などが挙げられる。 胆汁酸とは、カルボン酸型(-COOH)のものを言う。抱合胆汁酸とは、カルボン酸と結合したものやイオン化(-COO-)したものを言う。腸内のpH環境では抱合されていない胆汁酸よりも抱合胆汁酸のほうがよりイオン化しやすく、脂肪のミセル化をより効率的に行える。 人以外のほとんどの種でも、胆汁酸の生合成は、コレステロールの代謝によるものが一般的である。人体では1日あたり800mgのコレステロールを産生し、その半分は胆汁酸の新たな生成に使用されている。毎日、合計で20-30gの胆汁酸が腸内に分泌されている。分泌される胆汁酸の90%は回腸で能動輸送され再吸収され再利用され、腸管から肝臓や胆嚢に抱合胆汁酸が移動することを、腸肝循環と呼んでいる。これは、少ない抱合胆汁酸の産生にもかかわらず消化器官での大量分泌を可能にしているものである。胆汁は、脂肪球を非常に小さな溶解物に分解している。屠殺された動物の胆汁は石鹸の原料にすることもできる。乳化作用により細菌の細胞膜を破壊し殺菌作用のある胆汁酸が回腸でほとんど吸収されるため、腸内細菌は回腸以降の大腸を主な活動場所としている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「胆汁酸」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Bile acid 」があります。 スポンサード リンク
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