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持ち送りまたはコーベル(corbel)は、壁から突き出した石などの構造物で、その上に張り出した重量を支持する。持出し、持送り積み、受け材とも。同じ構造でも木でできたものは、「梁受け (tassel)」と呼ぶ。持ち送り構造 (corbelling) は、一連の持ち送りを壁に深くかみ合わせて、張り出した壁や手摺を支持する技法で、新石器時代から使われてきた〔例えば、スコットランドのメイズハウは新石器時代のチェンバード・ケアンとして有名〕。中世の建築やスコットランドのゴシック・リヴァイヴァル建築(en)によく見られ、古典建築ではコリント式オーダーに見られる「軒持送り (modillion)」などがあり、古代中国でも持ち送りは使われていた。 "corbel" という語は古フランス語で、ラテン語の ''corbellus''(すなわち ''corvus''(大ガラス)の小さいものを意味する)に由来し、くちばしのような見た目を表している〔。同様にフランス語では、室内の持ち送り構造を ''corbeau''(カラス)と呼ぶ。''cul-de-lampe''(釣束飾り)はヴォールトを支持する一種の持ち送り構造だが、下に行くほど先細りになった持ち送り全般を指すこともある〔Die.net definition 〕。なお、イタリア語では ''mensola''、ドイツ語では ''Kragstein'' と呼ぶ〔。また、フランス語では古典建築の持ち送りを ''modillon'' と呼ぶのが一般的である。 中国で紀元前から使われてきた持ち送りは、石製でも木製でも「斗拱」と呼ばれている。日本の寺社建築によく見られる「組物」に相当する。 == 装飾としての持ち送り == ノルマン(ロマネスク)の持ち送りは簡素な見た目のものが多いが〔、様式化された人間や動物や架空の獣の頭部を精巧に彫ったものもあり、その他のモチーフが使われることもある(例えば、ヘレフォードシャーのKilpeck教会には91個の精巧な彫刻を施した持ち送りのうち85個が現存している)〔CRSBI website: St Mary and St David, Kilpeck, Herefordshire 〕。 イングランドでも12世紀から13世紀にかけての時期、持ち送りには精巧な彫刻が施されたものがあった。例えば、リンカン大聖堂にある〔。 持ち送りは壁の1点から円錐形に上に成長するように配置され、天使などの像が支えているような見た目となっていることがある。その後、古典建築の円柱の柱頭を真似て、群葉などの装飾を施すようになった〔。 イングランドでよく見られる半木骨造の家では、出窓などの窓を下から支持する木製の持ち送り(梁受け)が見られ、彫刻を施していることが多い〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「持ち送り」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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