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平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(へいせいにじゅうさんねんさんがつじゅういちにちにはっせいしたとうほくちほうたいへいようおきじしんにともなうげんしりょくはつでんしょのじこによりほうしゅつされたほうしゃせいぶっしつによるかんきょうのおせんへのたいしょにかんするとくべつそちほう、平成23年8月30日法律第110号)は、2011年3月に発生した東日本大震災による東京電力の福島第一原子力発電所事故による放射性物質で汚染されたがれきや土壌などの処理のための法律。略称:放射性物質汚染対処特措法〔第二十二条 〕。2011年8月30日に公布され、一部を除き同日施行された〔完全施行は平成24年1月1日である。附則抄(施行期日) から。〕。 == 概要 == 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所の事故により、福島県を中心として、東北地方で広域的な放射性物質による汚染が生じることとなった。それにより、日常の生活環境からの被曝や食品を通じた被曝などが懸念されたが、一方では放射性物質を含む廃棄物などの処理の問題が深刻化することとなった。 放射性物質による汚染については安全面での万全を期す必要などがあり、放射性物質の汚染に関する基準や汚染された災害廃棄物を適切に処理する方法を科学的かつ具体的に定めるには一定程度の時間が必要である、ということから、環境省は関係省庁と相談した上で、同年5月2日付「 福島県内の災害廃棄物の当面の取扱い」にて暫定的に汚染されたおそれのある災害廃棄物の処分を当面保留する趣旨の通知を行い、同月に「災害廃棄物安全評価検討会 」を立ち上げ、そこで基準及び処理方法を検討することとした。 ところで、原発事故による汚染の実態が不明であった当初は主に福島県内の災害廃棄物が放射性廃棄物として問題視されていたが、先に顕在化したのは下水汚泥の問題であり、5月1日に福島県内の下水処理場から発生する下水汚泥及びその焼却灰等の放射能濃度が高いことが報告され、その後福島県外からも同様の報告事例が相次ぐなどという事態となっていた。そこで、6月16日には(環境省ではなく)原子力災害対策本部から関連省に「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取り扱いに関する考え方」が通知された。同通知においては、8,000Bq/kg以下の上下水処理等副次産物を通常の管理型処分場で埋め立て可能とする技術基準が示されており、環境省を含む各関連省はそれに基づいて方針を策定することとなった〔原発事故関連災害廃棄物に関して8,000Bq/kgという基準が初めて出てくるのはこの時点である。環境研(2011) p.2 〕。 環境省では、災害廃棄物安全評価検討会での検討を重ね、上記の6月16日付原子力災害対策本部発出通知文書も踏まえながら、6月23日に「 福島県内の災害廃棄物の処理の方針」を発出した。この通知において、上下水処理等副次産物と同様に、8,000Bq/kgまでの放射性物質を含む廃棄するものであれば管理型処分場で埋立可とする基準が、環境省から示されることとなった〔8,000Bq/kgという数字が出てきた理由または考え方はこの通知で一応示された。通知(2011.6.23) p.2, p.8 しかしながら、経緯を踏まえれば、環境省にとって、「8,000Bq/kgまで」という基準を打ち出した大きな理由は前述の6月16日付原子力災害本部発出通知文書である、と考えられる。 〕。 以上のように、放射性物質に汚染された廃棄物の処理については当初、環境省を中心に廃棄物処理法の「廃棄物」概念の領域を拡張させることで対処されていた。しかしながら、当然それには限界もあり〔そもそも廃棄物処理法においては「廃棄物」概念は放射性廃棄物を含まないとされる。廃棄物処理法第二条一項 〕、新たな法的な枠組みとして、災害廃棄物安全評価検討会での検討の結果を踏まえた上で、放射性物質に汚染された廃棄物の処理と土壌等の除染の二本柱からなる当該特別措置法(以下、放射性物質汚染対処特措法という)が8月30日に公布及び一部施行されることとなった〔完全施行は平成24年1月1日〕。 福島原発事故が原因の環境汚染に対処する初めての法律である〔環境研(2011) pp.2-3 それ以前には特段に対処する法律がなかったことがわかる。〕〔民主党、菅直人政権下で公布された最後の法律(法律第百十号)である。〕。なお、除染は、この法律に基づき、国や市町村等が中心となって実施することとされた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「放射性物質汚染対処特措法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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