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揚水発電(ようすいはつでん、Pumped-storage hydroelectricity)は、夜間などの電力需要の少ない時間帯の余剰電力を使用して、下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池ダム)へ水を汲み上げておき、電力需要が大きくなる時間帯に上池ダムから下池へ水を導き落とすことで発電する水力発電方式である。すなわち実質的には、発電だけを目的とする発電所というよりも、電力需要・供給の平準化を狙う蓄電を目的した、ダムを用いて電力を位置エネルギーとして蓄える巨大な蓄電池、あるいは蓄電所と言うべきものである。発電する電気量に対し、水を汲み上げるために消費される電気量がおよそ30%割増ではあるが、大量の電力を貯蔵できる設備は現在のところ揚水式発電所が唯一である。 == 揚水式発電の役割 == 一般的に電気は1日の内の昼間に多く消費され、夜間は需要が小さくなるため、需要のピークとオフピークには大きな差ができる。電力は基本的に貯蔵ができないため、電力会社は仮にピークの時間が僅かであっても、そのピークに対応できる発電設備を保有しなくてはならない。それゆえピークに備えた電力設備は大部分の時間で利用されないため、設備利用率は一般的に低く、設備投資の削減の観点からもピークとオフピークの差は小さいことが望ましい。揚水式発電を用いれば、設備利用率が特に悪化する夜間に既存発電設備の発電する電力で水をくみ上げ、需要がピークとなる昼間に発電を行うことで、ピークとオフピークの差を埋めることができ、設備利用率の全体的な向上が図れる。また、電力会社は常に変動する電力需要に発電量を調整する必要があるが、揚水式発電所は短時間での起動停止が容易であり、負荷に対する追従性も高いため、調整用発電所としても利用される。揚水発電は世界的にも行われているが、電力系統が他国から独立し、電力需要のピークとオフピークの差が大きい日本で特に普及した蓄電方法である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「揚水発電」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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