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ユスリカ(揺蚊)はハエ目(双翅目)・糸角亜目・ユスリカ科()に属する昆虫の総称。和名は幼虫が体を揺するように動かすことに由来すると言われる。 大部分の種は幼虫が水生で、川、池などほとんどあらゆる淡水域に棲んでいる。他には海の潮間帯に棲むものや陸生のもの、水辺の朽木の中や土壌中などに棲む半水生的なものなども少数ある。中には水生昆虫や貝類に寄生する特殊なものも知られている。釣り餌や観賞用高級金魚の生餌に使われるアカムシはオオユスリカやアカムシユスリカなどの幼虫である。 成虫はカ(蚊)によく似た大きさや姿をしているが、刺すことはない。またカのような鱗粉も持たないため、カと見誤って叩いても、黒っぽい粉のようなものが肌に付くことはない。しばしば川や池の近くで蚊柱をつくる。アフリカのマラウィにあるマラウィ湖での蚊柱は数十mの高さになることで知られる。 非常に種類が多く、世界から約15,000種、日本からは約2,000種ほどが記載されている〔『図説 日本のユスリカ』p.11〕。水生昆虫の中では1科で擁する種数が最も多いものの一つである。 == 特徴 == カによく似ており、電灯の灯などにもよく集まるが、カとは科が異なる昆虫で、カのように動物や人を刺したり、その血液を吸うことはない。他の双翅目の昆虫同様、翅は2枚のみで、後翅は平均棍という微小な器官に変化している。成虫は微小-小型で、体長は0.5mmから1cm程度。メスの触角は普通だが、オスのそれは全方位に生えた多数の横枝がありブラシ状を呈し、カのそれよりも短めでふさふさに見える。メスグロユスリカなど雌雄で体の色が異なるものもある。 幼虫はその体色からアカムシまたはアカボウフラと呼ばれるが、カの幼虫である本来のボウフラとは形状が大幅に異なる。通常細長い円筒形で、本来の付属肢はない。頭は楕円形で、眼、触角、左右に開く大腮や、そのほか多くの付属器官があり、これらの微細な形態が幼虫の分類に使われる。口のすぐ後ろには前擬脚と呼ぶ1つの突起があり、その先端には多くの細かい爪があって付属肢の様に利用する。腹部末端にも1対の脚があり、やはり先端に爪があり体を固定したりするのに役に立っている。また通常、体の後端には数対の肛門鰓をもっており、ユスリカ''Chironomus'' など一部のグループには腹部にも血鰓(けっさい:血管鰓とも言う)を有するものもある。 川や用水路などで発生するが、特に生活排水などで汚れた「どぶ川」では大量発生することがある。ドブの泥を集めて棲管を作り、そこから上半身をのりだしてゆらゆらするのがよく見られる。ただし、種数からすればドブにすむものはごく一部で、富栄養化の進んでいない普通の川や池沼、あるいは清流にすむものも多い。ウミユスリカ類の幼虫は潮間帯やサンゴ礁に棲む。また渓流の落ち葉に潜り込むもの、岩の上に棲管を張り付かせるもの、わずかに水が流れる岩の上に棲むもの、土壌中に棲むもの、その他、特殊な生息場をもつものも知られている。周囲の泥や砂をつづって巣を作るものもあり、ナガレユスリカ属のように巣の入り口に特殊な縁飾りを作るものや、トビケラ目に似た可携巣を作るものなどがある。食生はデトリタスを食べるものが多いと考えられるが、モンユスリカ亜科のように肉食のものや、他の水生昆虫に寄生するものなどもある。蛹はカのそれであるオニボウフラを細長くしたような姿で、水面に泳ぎ上がって、水面で羽化が行なわれる。 羽化した成虫は川の近くで、たくさん柱状に集まって飛んでいることがよくある。いわゆる「蚊柱」をつくっている昆虫である。蚊柱は、1匹の雌と多数の雄で構成されている。これは群飛(swarming)と呼ばれる〔。蚊柱が形成される理由は交尾のためで、成虫は交尾を済ませ産卵を終えるとすぐに死ぬ。成虫の寿命は長くても1-数日ぐらいである〔。また、成虫は口器が無く消化器も退化して痕跡化しているので、一切餌を摂る事ができない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ユスリカ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Chironomidae 」があります。 スポンサード リンク
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