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擲弾兵(てきだんへい、Grenadier)は近世ヨーロッパの陸軍で組織されていた歩兵部隊の一種。当初は擲弾(Grenade)の投擲を主な任務としていた。19世紀中頃に本来の用兵での擲弾兵部隊は消滅したが、本項ではその後現在に至るまでの、擲弾の投擲を任務とする兵士及び「擲弾兵」の称号を持つ兵士についても述べる。 == 概要 == 擲弾兵は17世紀の歩兵連隊において、擲弾(原始的な手榴弾)の投擲を主な任務とする兵士として登場した。当時の擲弾は鋳鉄で出来ており、もろい素材を肉厚に成形して補強していたため殺傷力のわりに重量が重かった。擲弾による攻撃では白兵戦ほどではなくとも火器で武装した敵兵に肉薄する必要があり、かつ擲弾そのものの取扱いにも危険を伴うために、それを遠くに投擲する擲弾兵には体格および身体能力や精神力に優れる勇猛果敢な兵士が選ばれた。それゆえ擲弾兵部隊は歩兵の精鋭部隊として扱われ、軍事技術の進歩により原始的な擲弾を人間が手で投げて使用する機会が実戦において少なくなっても、国家元首などの要人を護衛する近衛隊・親衛隊や戦局を決める切り札としての精鋭部隊と見なされ続けた。そして、現在に至るまで精鋭部隊を意味する名誉称号として歩兵部隊に“擲弾兵”の名を冠する習慣が続いている。 第一次世界大戦初期から塹壕戦用に近代的な手榴弾が製造されるようになり、擲弾の投擲が兵士の戦闘手段として復活する。 なかでも、浸透戦術による塹壕陣地突破のためにドイツで編成されたStoßtrupp部隊は、短機関銃を装備しており手榴弾を武器とする擲弾兵を擁していたため、近接戦闘において高い掃討能力を持っていた。そして同戦術が各国軍に大きな影響を与えたことから、現代歩兵の原型となった。 その後は各種の擲弾発射装置と掃射能力の高い自動小銃の普及、それらを組み合わせたグレネードランチャーの発明もあって、現代歩兵の多くは打撃の主体である擲弾兵とSAWを補助する掃射手を兼ねる存在として戦闘を行う事が多くなっており、今後もその割合は増え続けると予想されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「擲弾兵」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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