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攫猿 ( リダイレクト:カク猿 ) : ウィキペディア日本語版 | カク猿[かくえん]
玃猿(かくえん)は、中国の伝説上の動物。、〔後掲『中国妖怪人物事典』によれば、「猳」は「犭叚」で1文字。〕、ともいう。サルに類するもので、人間の女性をさらって犯すという特徴を持つ。 == 概要 == 中国の本草書『本草綱目』によれば、猴(こう。サルのこと)より大きいものとあり、『抱朴子』によれば、800年生きた獼猴(みこう。アカゲザルのこと)が「猨」となり、さらに500年生きて玃猿になるとある〔。 『本草綱目』では「玃」「猳玃〔」「玃父」の名で記載されている。玃は老いたサルであり、色は青黒い。人間のように歩き、よく人や物をさらう。オスばかりでメスがいないため、人間の女性を捕らえて子供を産ませるとある〔。 『捜神記』『博物志』には「玃猿」「猳国」「馬化」の名で、以下のようにある。蜀の西南の山中には棲むもので、サルに似ており、身長は7尺(約1.6メートル)ほどで、人間のように歩く。山中の林の中に潜み、人間が通りかかると、男女の匂いを嗅ぎ分けて女をさらい、自分の妻として子供を産ませる。子供を産まない女は山を降りることを許されず、10年も経つと姿形や心までが彼らと同化し、人里に帰る気持ちも失せてしまう。子を産んだ女は玃猿により子供とともに人里へ帰されるが、里へ降りた後に子供を育てない女は死んでしまうため、女はそれを恐れて子供を育てる。こうして玃猿と人間の女の間に生まれた子供は、姿は人間に近く、育つと常人とまったく変わりなくなる。本来なら姓は父のものを名乗るところだが、父である玃猿の姓がわからないため、仮の姓として皆が「楊」を名乗る。蜀の西南地方に多い「楊」の姓の者は皆、玃猿の子孫なのだという〔〔。このような玃猿の特徴は、中国の未確認動物である野人と一致しているとの指摘もある〔。 南宋時代の小説集『夷堅志』には「渡頭の妖」と題し、以下のような話がある。ある谷川の岸に、夜になると男が現れ、川を渡ろうとする者を背負って向こう岸に渡していた。人が理由を尋ねても、これは自分の発願であり理由はないと、殊勝に返事をしていた。黄敦立という胆勇な男が彼を怪しみ、同じように川を渡してもらった3日後、お礼に自分がその男を渡そうと言い。拒む男を無理に抱えて川を渡り、大石に投げつけた。悲鳴を上げたその男を松明の明かりで照らすと、男の姿は玃猿に変わっていた。玃猿を殺して焼くと、その臭気は数里にまで届いたという〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「カク猿」の詳細全文を読む
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