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放射光(ほうしゃこう、)は、シンクロトロン放射による電磁波である。「光」とあるが、実際は、人工のものでは赤外線からX線、天然のものでは電波からγ線の範囲のものがあり、特に可視光に限定して呼ぶことは少ない。また、電磁波が放射される現象は他にも多くあるが、シンクロトロン放射による電磁波に限り放射光と呼ぶ。 シンクロトロン放射は、高エネルギーの電子等の荷電粒子が磁場中でローレンツ力により曲がるとき、電磁波を放射する現象である。「シンクロトロン(同期式円形加速器)」と名が付いているが成因を問わずこう呼ぶ。放射光と呼ぶのは人工のものであることが多い。 ==特徴== 放射光の特徴としてはまず、著しい指向性にある。荷電粒子の速度が光速に近くなると、相対論的効果によって軌道の接線方向に光が集中し、指向性の高い強力な光となる。普通の光源が全方位に対して光を放出するのとは対照的である。また、極めて光度が強い白色光である事が挙げられる。他にもパルス光である、光源からフォトン以外を放出しない、等の特徴がある。この放射は理論からの予想と実験が良く一致するので、放射の標準とされる事もある。 このような特性を赤外線から硬X線にいたる光源として利用しているのが、放射光施設 () と呼ばれる施設である。日本では、和歌山毒入りカレー事件で亜ヒ酸の分析に用いられ世間で知られることになった。 放射光はシンクロトロン以外にも、磁場の向きが互い違いになるように並べた磁石列によって電子軌道を蛇行させ、放射光を発生させる装置「アンジュレータ」によっても得ることができる。アンジュレータでは干渉効果によって極めて高い輝度を得ることができる。アンジュレータは、通常のレーザーでは発生させることができない真空紫外、軟X線、X線領域のレーザーとして開発されている自由電子レーザーの光源部分としても用いられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「放射光」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Synchrotron radiation 」があります。 スポンサード リンク
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