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被曝(ひばく、radiation exposure)とは、人体が放射線にさらされることを言う〔「被曝」と「被爆」は、発音が同じで意味や漢字での表記も似ている。放射線被曝は「放射線にさらされること」を意味するが、被爆は「爆撃を受けること」、「核兵器による被害を受けること」を意味する。〕。「曝」が常用漢字でないことから「被ばく」とも表記される。 被曝は、放射線を受ける形態が外部被曝か内部被曝かでその防護方法が大きく異なる。 ==概要== 放射線の歴史は1895年のレントゲンの X 線の発見に始まるが、放射線の利用とともに、人体が放射線を浴びること、被曝(radiation exposure)によって様々な放射線障害〔被曝した放射線の線量に応じて放射線障害は大きく確定的影響(deterministic effects)と確率的影響(stochastic effects)に分類される。〕が発生することが徐々に認識されていった。 原子爆弾など戦争兵器にも用いられ、健康被害をもたらす放射線被曝はできる限り避けねばならない、しかしながら、放射線治療などに用いられる放射線技術は大きな利益をもたらす技術である。そこで、放射線技術による利益を享受しつつ、被曝に伴う放射線障害を防止することを目的とした放射線防護(radiation protection)の概念が、放射線障害の認識と共に発達してきた。今日においては以下の目標が掲げられている〔辻本(2001) p.26、日本アイソトープ協会(1992) p.158〕。 放射線防護にあたって最も重要であるのは放射線源から被曝を受ける形態であり、次の二つに分類される〔また、照射を受ける身体の範囲により全身被曝と局部被曝に、照射を受ける時間分布により急性被曝と慢性被曝に分類される。培風館 2005 p.2188〕〔国連科学委員会(UNSCEAR)では放射線の種類やその用途、一般大衆と職業上などの切り口で以下のように分類している。 〕。 ; 外部被曝(external exposure、体外被曝) : 体の外部にある放射線源からの放射線被曝 ; 内部被曝(internal exposure、体内被曝) : 経口摂取、吸引などにより体内に取り込んだ放射性物質による被曝 点放射線源からの外部被曝の場合、最も単純な防護方策はその点線源との距離を大きく取ることであるが、同じ被曝でも空気中に放射性物質が拡散してしまい吸引による内部被曝が疑われる場合は、放射線防護策としては全く異なる方法(マスクの着用など)を取らなくてはならない〔なお、同一の放射性物質からの放射線に被曝する場合でも、外部被曝より内部被曝の方が危険な場合がある。アルファ線は体外からの照射では、その大部分は皮膚の内側に達することはないが、体内にアルファ線を出す放射性物質が入ると、その周囲の細胞が照射されるため組織や器官の受ける放射線の量が大きく異なる透過力の弱いベータ線とエネルギーの低いガンマ線を出す放射性物質も外部被曝では影響を与える程ではないが体内にある場合の影響は大きくなる。 〕。 放射線防護策を検討・実施するにあたって場所の放射線量〔職業被曝であれば作業場所、公衆被曝であれば一般環境〕および被曝をしている個人の線量〔ただし、公衆被曝の場合全ての人々に個人線量計を配布することは困難である。〕を計測(モニタリング)することは重要である。 放射線防護を行う(確率的影響の発生リスク〔なお、定量的リスクが絡む事柄一般に言えることだが、いわゆるブラックスワン(想定しにくいまれな現象)が存在しないことは証明不可能である。 〕を人々が容認可能なレベルに抑える)にあたって基本的尺度となる線量概念が実効線量(単位:シーベルト、記号:Sv)であり、個々人の被曝した実効線量は、定められた実効線量限度以下に抑えられる〔ただし、眼の水晶体の被曝、皮膚の限られた面積の被曝は実効線量を算出する際の組織荷重係数が与えられていないため、この2つの臓器(ただし、広い面積の皮膚が被曝した場合は実効線量に加えられる)に関しては臓器の等価線量で線量限度が規定されている。草間(2005) p.21〕〔実効線量や等価線量はあくまで、この放射線防護を行うための防護量である。実効線量・等価線量は被曝による確率的影響の生物影響を基に定められたものであるので、確定的影響に対しては、シーベルトはではなく吸収線量とその単位であるグレイが用いられる。そのような理由から、確定的影響の閾線量は等価線量のシーベルトではなく吸収線量であるグレイで表示される。〕 なお、低線量の放射線被曝による健康被害については各種議論がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「被曝」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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