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『放蕩一代記』(ほうとういちだいき、英:A Rake's Progress)は18世紀のイングランド人画家ウィリアム・ホガースが描いた8点の油彩画、ならびにそれらをもとに制作された銅版画の総称。日本では『放蕩一代記〔大東文化大学経営研究所「ホガース版画展」図録 本稿では各絵画の題名も当サイトによっている〕〔富山大学教授宮内伸子「驚異の部屋」 〕』の他に『放蕩者一代記〔伊丹市立美術館 〕』、『放蕩息子一代記〔』、『放蕩者のなりゆき』などさまざまな名称で呼ばれる。ホガースが自ら「現代の道徳的主題〔荒川裕子・立入正之「イギリスの美術」、『イギリス文化入門』所収、三修社、2010、p217-219〕」と呼んだシリーズの第2作である。本作品は主に、1735年に制作された銅版画版で広く世に知られることになった。1732年から1733年にかけて制作された原画(油彩画)は現在、ロンドンのサー・ジョン・ソーンズ美術館が所蔵している。 == 概要 == 架空の人物トム・レイクウェル (:en:Rake (character)) の半生を物語形式に描いた連作で、ホガースによる油彩画が1732年から翌年にかけて、ついで版画が1735年に制作された。作品に描かれている物語は、商人の息子であるトムはロンドンで莫大な親の遺産を相続したが、放埓な生活、商売女、ギャンブルで財産を全て失ってしまう。そして借金を抱えたトムはフリート債務者監獄に収監され、最後には精神病院であるベドラムに送られ、自ら身を破滅させる〔Bindman, David. Hogarth, Thames and Hudson, 1981. ISBN 0-500-20182-X〕というものである。主人公レイクウェルの「レイク」とは英語で、賭博場で賭け金を掻き集める棒を意味し、転じて放蕩者を指す〔桜井武『イギリスの美術館』平凡社新書、2008、p170-178〕 本作品は、鑑賞(見ること)と読解(読むこと)の楽しみを併せ持った絵画である。人間の愚かさ、貪欲さを批判し、道徳的教訓を導く絵画であるが、過去の教訓的風俗画と比べてホガースの作品は、連作仕立てである点と、比喩や暗示・象徴を意味するモチィーフが数多く描き込まれた点に、新しさがある。このような物語的な作品が成功を収めたことは、当時イギリス社会で「小説」が興隆しだしたこととも深い関連があると考えられる〔。さらに、イギリスの映画監督・脚本家のアラン・パーカーは、『放蕩一代記』を絵コンテの先駆であると評している〔Life: The Observer Magazine - A celebration of 500 years of British Art - 19th March 2000〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「放蕩一代記」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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