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数論力学(すうろんりきがく、〔 〕)は、数学における力学系と数論という二つの領域を融合した分野である。 離散力学とは、古典的には複素平面や実直線の自己写像の反復合成の研究のことである。数論力学は、多項式や有理函数の繰り返しの適用の下で、整数点、有理点、-進点、あるいは、代数的点の数論的な性質を研究することである。数論力学の基本的な目標は、数論的な性質をその基礎にある幾何学的な構造のことばで記述することにある。 大域的数論力学(たいいきてきすうろんりきがく、)とは、離散力学系における古典的なディオファントス幾何学に類似した幾何学的構造の研究のことであるが、一方、局所的数論力学(きょくしょてきすうろんりきがく、)は、-進力学、あるいはとも呼ばれ、複素数 C を や C に置き換えた古典力学の類似物で、カオス的振る舞いやファトゥ集合やジュリア集合を研究する。 次の表は、ディオファントス方程式、特にアーベル多様体と力学系の大まかな対応を記述したものである。 ==離散的力学系の定義と記法== 集合 に対し、 を から自分自身への写像とする。自分自身への の 回の繰り返しの適用のことを、 : と書くこととする。 点 が周期的 () とは、ある が存在して であることを言う。 点が前周期的 () とは、ある が存在して、 が周期的であることを言う。 の(前方の)軌道 () とは、集合 : のことを言う。 このようにして、 が前周期的であることと、その軌道 が有限であることとは同値である。 ==前周期的点の数論的性質== を係数を Q にもつ少なくとも次数 2 の有理函数とする。ノースコット () の定理〔 D. G. Northcott. Periodic points on an algebraic variety. ''Ann. of Math. (2)'', 51:167--177, 1950.〕は、 が有限個の Q-有理的前周期点、すなわち、 が P1(Q) に有限個の前周期点しか持たないことを言っている。 () と () の 〔P. Morton and J. H. Silverman. Rational periodic points of rational functions. ''Internat. Math. Res. Notices'', (2):97--110, 1994.〕は、P1(Q) の中の の前周期的点の数は、 の次数にのみ依存する定数によって境界が決まるという予想である。 より一般的に、 を数体 上に定義された少なくとも次数 の写像とする。ノースコットの定理は、 が 内に有限個の前周期的点しか持たないことを言い、一般化された は 内の前周期的点の数が、Q 上の の次数と の次数および によってのみ定まる項によって制限されるという予想である。 有理数体 Q 上の二次多項式 に対しても、 は証明されていない。これが証明されている場合は、 が周期 の周期点を持たない場合〔P. Morton. Arithmetic properties of periodic points of quadratic maps. ''Acta Arith.'', 62(4):343--372, 1992.〕 周期 の周期点〔E. V. Flynn, B. Poonen, and E. F. Schaefer. Cycles of quadratic polynomials and rational points on a genus-2 curve. ''Duke Math. J.'', 90(3):435--463, 1997.〕と周期 の周期点〔M. Stoll, Rational 6-cycles under iteration of quadratic polynomials , 2008.〕の場合である。ただし、周期 の結果はバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想を前提としている。 () は、 は より大きい周期の有理的な周期点は持ちえないことを予想した〔B. Poonen. The classification of rational preperiodic points of quadratic polynomials over Q: a refined conjecture. ''Math. Z.'', 228(1):11--29, 1998.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「数論力学」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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