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敵性語(てきせいご)とは、敵対国や交戦国で一般に使用されている言語を指した語。敵声語と当て字されることもある。 特に日本では、日中戦争から第二次世界大戦中にかけて敵性国・交戦国となったアメリカやイギリスとの対立が深まる1940年に入ると〔『戦争と平和の事典 現代史を読むキーワード』p.49。〕、英語を「軽佻浮薄」(けいちょうふはく)と位置づけ、これが精神論的に「敵性」にあたるものだとして排斥が進んだ。 本項はこの日本における「敵性語」について主に詳述する。 == 概要 == === 法的根拠は無し === 敵性語は法律で禁止されたものではなく、戦争に向かう中で高まっていくナショナリズムに押されて自然発生的に生まれた社会運動である。そのため、分野によって敵性語排除の影響や熱意には大きな開きがあり、また徹底されたものでもなかった。そもそも、古くは幕末・明治初期の頃より欧米に範を取り近代化を行っていた日本において、英語を筆頭とする外来語が日本語に与えていた影響は決して小さくなく、戦前中の日本国内でも簡単な英単語・和製英語はマスメディア上のみならず、市民の日常において盛んに使用されていたものである。 例として、情報局編集・内閣印刷局発行の『写真週報』や、政府や軍部の検閲を受けたニュース映画「日本ニュース」といったプロパガンダで用いられたメディアでさえ太平洋戦争末期に至るまで英単語は使用されている。上述画像の『写真週報』第257号では英語などの米英文化を排斥する特集〔ほかに「米英レコードをたたき出そう」「これが日本人に売る日本商品だらうか」「(内務省と情報局による)廃棄すべき敵性レコード一覧表」など。〕が組まれている一方で、同誌同号巻末で連載している銃後の国民生活を説くコラムでは「シャツ」「コンビネーション」「チョッキ」などの英単語や和製英語が、また、太平洋戦争突入後の1942年(昭和17年)7月にキングレコードより発売された「点数の歌」(林伊佐緒・三原純子歌唱。同年2月に政府が実施した衣料切符配給制を題材とする戦時歌謡)の歌詞には、「ハンカチ(ハンケチ)」「エプロン」「ワンピース」「サイレン」「ゲートル」といった多数の英単語等が使用されている。 経済の分野でも、英単語の入った商品名やブランド名などが変更された事例があるが、例えば松下電器は「ナショナル」、早川電機工業は「シャープ」のブランド名を冠した製品を戦時中も発売しているなど、徹底したものではなかった。 このように「敵性語」は圧力を受けた一般民間人や民間団体による自己規制によって排斥された、主に対米英戦たる太平洋戦争当時の戦意高揚運動のひとつにすぎない。 なお、第二次世界大戦において、日本は米英だけでなく、中国とも敵対したが、中国語に由来する漢語については目立った排斥は無く、むしろ英単語の置き換えには漢語式の表記が多く使われた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「敵性語」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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