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『斬人斬馬剣』(ざんじんざんばけん)は、1929年(昭和4年)製作・公開、伊藤大輔監督による日本の長篇劇映画である。サイレント映画、剣戟映画である。現存しないフィルムとされてきたが、2002年(平成14年)にフィルムの一部が発見され、復元された〔発掘された映画たち2003 、東京国立近代美術館フィルムセンター、2009年11月3日閲覧。〕。 == 略歴・概要 == 1929年(昭和4年)、松竹キネマ京都撮影所が通常の30倍の製作費をかけ、大ロケーション撮影を敢行して製作された大作である〔。主演の月形龍之介は、独立して経営していたツキガタプロダクションを同年に一旦畳み、松竹に入社した第1作であった〔月形龍之介 、日本映画データベース、2009年11月3日閲覧。〕。監督の伊藤大輔は、この前後の時期は日活太秦撮影所で活動していたが、この1作ためのみ、松竹で監督することになった〔伊藤大輔 、日本映画データベース、2009年11月3日閲覧。〕。撮影技師も伊藤とのコンビを組む唐沢弘光が日活からレンタルされている。伊藤のオリジナル脚本による作品である。 本作は、同年9月20日、浅草の松竹直営の洋画専門館・帝国館をフラッグシップにして公開された〔#外部リンク、「斬人斬馬剣」、日本映画データベース、2009年11月3日閲覧。〕。 中国地方の小藩を舞台に、悪政に苦しむ百姓たちを救うために立ちあがった浪人の姿を描いた、当時流行した左翼思想の影響を受けた「傾向映画」の傑作である。カットバックや移動撮影などの技法を駆使し、その斬新な映像表現で高い評価を受け、1929年度のキネマ旬報ベストテンに第6位にランクインされた。また、月形龍之介は「役者人生の中で最もお気に入りの一作である」と語っている。 本作は、数十年にわたって現存しないフィルムとされていたが、2002年(平成14年)、東京都の映画作家・寺澤敬一が9.5ミリフィルムのダイジェスト版を発見し、東京国立近代美術館フィルムセンターに寄贈した〔。フィルムセンターは、オランダのアムステルダムにあるフィルム修復・復元専門のラボに依頼し、同センター初のデジタル復元を行った〔。現在、同センターが所蔵するのは、発見されたダイジェスト版から起こした「1秒間18コマ、26分の35ミリプリント」である〔。同プリントが2003年(平成15年)、東京国立美術館フィルムセンターが企画した「発掘された映画たち2003」で上映された〔。また、2005年(平成17年)には、第24回ポルデノーネ無声映画祭で松竹創立110周年を記念して組まれた特集の1本として上映された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「斬人斬馬剣」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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