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新世界訳聖書(しんせかいやくせいしょ)は、エホバの証人で構成された匿名の「新世界訳聖書翻訳委員会」によって翻訳された英訳聖書。ならびに、これを元に、同委員会の監督の下に他の諸言語に翻訳された聖書。本書を書店で販売していないため、エホバの証人に直接注文する必要がある。 本書が登場するまで、英語圏のエホバの証人は、長年にわたりジェームズ王欽定訳やアメリカ標準訳を主に使用してきた〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「研究7-現代の聖書」『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』 320〜327ページ、1983年、1990年。〕。また日本のエホバの証人は日本聖書協会の文語訳聖書や口語訳聖書を主に使用してきた。しかし、本書の刊行以降、エホバの証人が集会で使用する聖書はほぼ世界的に、本書へと統一されるようになってきている。とはいえ、個人研究では本書以外の翻訳の使用も推奨している。実際、英語版の研究ツールであるJW Libraryには本書以外もふくめ6種の翻訳聖書から選〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「 JW Library 」『JW.ORG / エホバの証人の公式ウェブサイト 』〕ぶことができる。『生きた英語による聖書』、『アメリカ標準訳』、『ジェームズ王欽定訳』などである。 本書を翻訳するにあたり、ヘブライ・アラム語聖書を翻訳する底本としてルドルフ・キッテルの『ビブリア・ヘブライカ』第7版から第9版(1951年 - 1955年)の校訂本文が使用された。さらに『ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア』(1977年版)、死海写本、他の言語に翻訳された数多くの初期の訳本も参考にされている。また、クリスチャン・ギリシャ語聖書については、主にウェストコットとホートによる『ギリシャ語原語による新約聖書』1881年版を使用、これについても数多くの初期の訳本が参考にされた〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「序文」『新世界訳聖書—参照資料付き』 6〜12ページ、1985年。〕〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「新世界訳」『聖書から論じる』 245ページ、1985年、1989年。〕。 英語版は1950年から1960年にかけて分冊で発表され、1961年には1冊にまとめられて出版された。最新は2013年改訂版〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「Online Bible 」「オンライン聖書 」『JW.ORG / エホバの証人の公式ウェブサイト 』〕〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「年次総会の報告2013 」『JW.ORG / エホバの証人の公式ウェブサイト 』〕。 日本語版は1973年にギリシャ語聖書(新約聖書)の分冊が発行され、1982年にはヘブライ語聖書(旧約聖書)の部分も含めた全巻が発行された。最新は1985年版。 エホバの証人は本書を「正確で読みやすい翻訳聖書」〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)オンライン聖書 『JW.ORG / エホバの証人の公式ウェブサイト 』〕であると評している。一方、キリスト教会側は、三位一体論にかかわる箇所を中心としてエホバの証人の教理に沿った恣意的な訳文が見られるとし、「エホバの証人の教理に合わせて改竄された偽物の聖書」〔内田和彦『キリストの神性と三位一体 「ものみの塔」の教えと聖書の教え』100ページ、2003年。ISBN 978-4-264-02127-8〕であり「日本語としても全くひどいもの」〔千代崎秀雄『「エホバの証人」はキリスト教か』いのちのことば社、1986年。ISBN 978-4-264-00832-3〕と指摘する。 ==論争== *伝統的諸教会は一般的に、エホバの証人をキリスト教における異端、またその本書を改竄された聖書であると考えている。そのため、本書の訳文の是非を巡って多くの論争が提起されてきた。 *主要な論点となるのは「三位一体」についてのテーマである。伝統的諸教会は三位一体の論理に基づいて「キリストは神性を備えており神ご自身である」「聖霊もまた、人格を持つ存在で、神性を持つ神ご自身である」と考えるが、エホバの証人は「キリストは神性を備えてはいるが神ご自身ではなかった〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「付録 「父,子,聖霊に関する真理」 『聖書は実際に何を教えていますか』 〕」、「聖霊は人格的なものではなく、神の活動力である〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「神を身近に感じられないのはなぜか―神は謎めいた存在とされている」 『ものみの塔』2013年11月1日号5ページ。〕」と論じる。 *聖書の箇所ごとについての論争 *ヨハネによる書1章1節:「初めに言葉がおり,言葉は神(God)と共におり,言葉は神(a god)であった。(新世界訳、括弧は英語版、下線は日本語版原文)」……エホバの証人は「言葉は神とともにおり」の「神(テオン)」には冠詞(トン)があり、「言葉は神(テオス)であった」の「神」には冠詞がないことを重視。後半部分を「言葉(イエス・キリスト)は神のようなものであった」〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「「イエスは神ですか」 『ものみの塔』2009年4月1日18〜19ページ。〕と主張する。一方、伝統的諸教会は冠詞の有無によって区別されないとし、「言葉」はイエス・キリストを指し、このイエス・キリストが神と呼ばれていると解釈する〔正木 弥 「ヨハネ 1章1節 」『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書 』びぶりや書房(現ビブリア書房 )、2007年11月。〕〔「新世界訳聖書の実像」 〕。さらに、ヨハネの福音書において、1:6、1:18(前半)等16箇所においての「神(エホバ)」について、冠詞がないことも指摘する。 *これについて、エホバの証人は、「神」という称号はエホバ固有のものではなく、ヘブライ語聖書ではイエス(イザヤ9:6)やみ使い(詩編8編5節)、ギリシャ語聖書では悪魔サタンにも用いられており(コリント人への第二の手紙4章4節)、しかもヘブライ語エールには冠詞がない("God"と"a god"の区別がない)ため、福音書筆者がヘブライ語聖書から引用して「言葉」(イエス)を「神(God)」と呼んでも問題なく、それがエホバとイエスが同格だという意味ではない、と考えている〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「神」 『聖書に対する洞察』第1巻602〜605ページ、1994年。〕。また、西暦初期のギリシャ語を翻訳した古代コプト語訳のヨハネによる福音書1章1節が、新世界訳と同様に訳していることにも注目している〔ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)「「言葉」は“God”か“a god”か」 『ものみの塔』2008年11月1日号24ページ。〕。 *三位一体支持者が特に問題としているのは神とキリストとが平行して言及されている箇所の訳し方である。彼らは、ギリシャ語には「AとB」という表現が「AであるB」と読みうるという文法上の問題があると主張している。それは「神とキリスト」という表現が「神であるキリスト」と読みうることを意味している。〔正木 弥 「第二テサロニケ1章2節およびテトス2章13節 」『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書 』びぶりや書房(現ビブリア書房 )、2007年11月。〕 これに対し、エホバの証人は、「神=キリスト」の解釈は「父はわたし(イエス)より偉大な方」であるというヨハネによる書14章28節の主張と矛盾するため、すべての句において「神とキリスト」という読み方しかできないとしている。〔「三位一体を信じるべきですか」 (エホバの証人の公式サイト)〕 *テサロニケの信徒への手紙二1章12節(本書表記では『テサロニケ人への第二の手紙』)においては本書と新共同訳聖書と口語訳聖書が「神とキリスト」の読みを採用し、新改訳聖書が「神であるキリスト」の読みを採用している。 *ペトロの手紙二1:1(本書表記では『ペテロの第二の手紙』)においては本書と新共同訳聖書と口語訳聖書が「神とキリスト」の読みを採用し、新改訳聖書が「神であるキリスト」の読みを採用している。 *テトスへの手紙2章13節においては本書と「新アメリカ聖書」(英語)、「現代英語の新約聖書」(英語)が「神とキリスト」の読みを採用し、「新共同訳聖書」と「口語訳聖書」と「新改訳聖書」が「神であるキリスト」の読みを採用している。 *伝統的諸教会は一般的に、聖書がキリストの神性に言及している箇所(ヨハネによる書1章1節、あるいは上述の句など)について、「本書の訳文は改竄されており、キリストの神性を否定する異端的な内容に書き換えられている」〔正木 弥 『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書 』びぶりや書房(現ビブリア書房 )、2007年11月。〕とする。 *一方、エホバの証人は、上記の訳は本書固有の訳ではなく、上述のように旧約聖書でイエスも「神」と呼ばれているので、そのような問題はないと論じている。 *聖書は、その伝承の過程で翻訳ミスや写本時のミスがあるが、エホバの証人の教義ではそのようなものは存在しないこととなっているため、これらのミスのうち明らかな間違いと判断されたものは修正されている(列王記と歴代誌間での記載の矛盾など)。なお一般にこの行為は、申命記4章2節など聖書で禁じられているものと解される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「新世界訳聖書」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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