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日本の両生類一覧(にほんのりょうせいるいいちらん)とは、日本に生息する両生類の一覧である。あわせて、日本の両生類相についても解説するが、その特徴として、多様な固有種が生息する事に加えて、本州から四国、九州にかけて著しい分化が見られるサンショウウオ類や南西諸島で特に分化しているカエル類、遺存種であるオオサンショウウオとイボイモリの存在があげられる。 == 日本の両生類相の概観 == === 日本の両生類相 === 日本爬虫両棲類学会の『日本産爬虫両生類標準和名(2015年5月28日改訂案) 』及び国立研究開発法人国立環境研究所『侵入生物データベース 』 に基づいた下記の一覧を見ると、日本に生息する両生類は、定着したと判断される外来種を含み、2目10科24属76種81亜種である。内訳は、在来種が2目9科20属71種76亜種、外来種が2目5科5属5種である。また、在来種のうち、日本の固有種は61種66亜種であり、固有種の割合は約86%にもなる。『日本産爬虫両生類標準和名(2015年5月28日改訂案)』より前の2014年9月に発刊された『レッドデータブック2014』(環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、2014、iii頁)でも両生類の約8割が日本固有種であるとしている。 目の単位では、有尾目(サンショウウオ目)が32種(外来種除く)、無尾目(カエル目)が38種(外来種除く)であるのに対し、世界における現生の両生類は、有尾目が約436種〔松井正文(2006、249頁)〕、無尾目が約4383種〔松井正文(2006、251頁)〕である。後述するように、2014年現在においても新種が記載がされていることから単純には比較できないものの、世界に対する日本に分布する在来両生類の割合は、前者が約7.3%、後者が0.87%となり、世界総陸地面積に対する日本の国土面積との割合0.25%〔国の面積順リストを参照。〕よりも、ともに大きい値である。それを示唆するものとして、新種記載が進んでいない1980年代において、千石(1982)は、『(サンショウウオ類の)発生の地と考えられるユーラシア大陸の東部でも、その広大な地域を合わせてすら種類数が日本におよばない。』〔と説明している。 両生類は、一般的に、移動性が低く、変温動物で、成体は皮膚が乾燥に弱いため水系から離れることが困難であり、産卵や幼生(オタマジャクシ)の生息が水系に依存するという特徴を持つ〔松井(2006、94-95頁)〕〔高田・大谷(2011、8、246頁)〕。これらの基本的な特徴を踏まえて、日本における多様な両生類相を概観する。 有尾目の中で、サンショウウオ科は地理的分化が著しく〔上野俊一「両生類概説 」『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物3 爬虫類・両生類』環境庁自然環境局野生生物課編、2000年、ISBN 4-915959-70-8。 - 環境省生物多様性センターホームページで確認。(2015年5月5日閲覧)〕〔財団法人自然環境研究センター編「サンショウウオ類の日本各地での分化 」『自然環境保全基礎調査 動物分布調査 日本の動物分布図集 第2部 特徴を表している分布図』2010年3月31日、36頁。(2015年5月5日閲覧)〕〔 高田・大谷(2011、41頁)〕、ほとんどの種の分布域は非常に狭い〔環境庁自然保護局野生生物課編(1993)〕〔「財団法人自然環境研究センター編『自然環境保全基礎調査 動物分布調査 日本の動物分布図集 第3部 動物分布図(両生類・爬虫類)』2010年3月31日、286頁。」の各両生類の図面。〕。これは、サンショウウオ類の移動能力の低さに加え、日本では山地が発達し、それに伴い、両生類の繁殖環境で、かつ幼生の生息環境となる水系が分断されることをあげている〔。現に、サンショウウオ科28種のうちキタサンショウウオを除く27種が固有種である。また、2012年から2014年にかけて、多くの隠蔽種が新記載されており、特にもともとハコネサンショウウオ1種であると考えられていたハコネサンショウウオ属が6種に細分されている〔Poyarkovら(2012)やNishikawa & Matsui(2014)など〕。また、千石(1982)や上野(2000)は、琉球列島の奄美大島以南にサンショウウオ科が確認されていないことや、本州の太平洋側よりも日本海側で分化が著しいことなどから、サンショウウオ科の多くは、朝鮮半島経由で西日本に侵入した祖先種に由来するのではないかと考察している〔〔千石正一「28.日本の両生類・は虫類 」『日本の自然環境』環境庁自然保護局編、大蔵省印刷局、1982年3月。〕。また、最大の両生類であり、国の特別天然記念物のオオサンショウウオ〔〔「オオサンショウウオ 」『国指定文化財等データベース 』〕〔千石正一「オオサンショウウオ」『日本の天然記念物』加藤陸奥雄・沼田眞・渡部景隆・畑正憲監修、講談社、1995年3月20日、683頁、ISBN 4-06-180589-4。〕や、両生類の中では珍しく、陸上に産卵するという特徴をもったイボイモリ〔〔〔などの遺存種が、本州中部や琉球諸島に生息することも日本の両生類相の特徴として挙げられる。 カエル類(無尾目)では、北海道から本州、四国、九州にかけて生息するものは、分布域が広く〔環境庁自然保護局野生生物課編『日本産野生生物目録(9)脊椎動物門 両生類』『日本産野生動物目録 - 本邦産野生動植物の種の現状 - (脊椎動物編)』財団法人自然環境研究センター、1993年12月、ISBN 4-915959-09-0。〕、アカガエル類等の北方起源のものが多いとされている〔。個々の種を見てみると、本州から四国、九州に生息するものはアマガエルのように広く分布する種もいれば、ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルのように亜種で日本の東西に分かれる分布を示すものもいる〔。また、カエルの代表格であるトノサマガエルに注目すると、近縁なダルマガエルの2亜種のうち関東地方に分布する亜種トウキョウダルマガエルとは異所的な分布を示すのに対し、瀬戸内地方に分布する亜種ナゴヤダルマガエルとは同所的に分布するという亜種間で異なった様相をみせる〔〔財団法人自然環境研究センター編「水田にすむカエル 」『自然環境保全基礎調査 動物分布調査 日本の動物分布図集 第2部 特徴を表している分布図』2010年3月31日、50頁。(2015年5月5日閲覧)〕。タゴガエルは、本州に広く分布する亜種タゴガエルと、隠岐諸島固有のヤエヤマハラブチガエル、屋久島固有のヤクシマタゴガエルの3亜種に、島嶼間で区別される〔財団法人自然環境研究センター編「サンショウウオ類の日本各地での分化 」『自然環境保全基礎調査 動物分布調査 日本の動物分布図集 第2部 特徴を表している分布図』2010年3月31日、36頁。(2015年5月5日閲覧)〕〔。このように種によって独特な分布パターンを示す。一方で琉球列島においては、渡瀬線より南のトカラ列島以南著しく分化しており、さらに、中琉球(トカラ海峡とケラマ海峡に挟まれた琉球列島中部。奄美諸島や沖縄諸島等が含まれる。)にしか分布しておらず、琉球列島南端の八重山諸島においても近縁なものが確認されていない種が多いことが特徴的である〔〔 高田・大谷(2011、34頁)〕。他にも興味深い分布をする種としては、中国に広く分布するアジアヒキガエルが最も近縁な群と考えられている宮古諸島固有亜種のミヤコヒキガエル〔や、奄美大島、徳之島、沖縄島、石垣島及び西表島に分布し、隔離された島嶼間における種分化(異所的種分化)の結果であると考えられているハナサキガエル類〔松井正文「両生類における種分化」『バイオディバーシティ・シリーズ1 生物の種多様性』岩槻邦男・馬渡峻輔編、裳華房、1996年8月10日(2005年6月20日第7版)、217-230頁、ISBN 4-7853-5824-6。〕、ヤエヤマハラブチガエル〔やアイフィンガーガエル〔などの八重山諸島と台湾に分布する種などがあげられる。海水を苦手とする両生類が移動・分散するためには、大陸との陸橋の形成が不可欠であり、琉球列島の成り立ちを検討する上では欠かせない。その一例として、太田・高橋(2006)は、九州、琉球列島の島嶼群及び台湾、大陸に分布する両生類相の類似度を野村・シンプソン指数で求めているが、琉球諸島はまず「宮古諸島・八重山諸島グループ」と「奄美諸島・沖縄諸島グループ」にグルーピング化され、「宮古諸島・八重山諸島グループ」は「台湾」に類似し、ついで「宮古諸島・八重山諸島・台湾のグループ」と「大陸」が近似、さらに「宮古諸島・八重山諸島・台湾・大陸のグループ」と「奄美諸島・沖縄諸島」が近似し、最後に「奄美諸島から大陸のグループ」が「九州」と類似するという結果となった〔太田英利・高橋亮雄『琉球列島および周辺島嶼の陸生脊椎動物相 - 特徴とその成り立ち - 』『美ら島の自然史-サンゴ礁島嶼系の生物多様性』琉球大学21世紀COEプログラム編集委員会編、東海大学出版会、2006年7月20日、2-15頁、ISBN 4-486-01731-5。〕。爬虫類でも概ね同様な結果を得ており、この類似度が単純に地域間の歴史的関係を反映しているとの前提であれば、「九州」と「奄美諸島から大陸のグループ」の間が先に分断され、ついで上記と逆の順に、陸橋が分断されていった事を示唆している〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「日本の両生類一覧」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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