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日本での特許制度は、専売特許条例が施行された1885年(明治18年)7月1日から始まった。ただし、それ以前の1871年(明治4年)に専売略規則が公布されたが、施行されることなく翌年に廃止されている。日本の特許制度で、保護の対象になるのは、「発明」である(特許法29条1項柱書)。「発明」の定義は困難であり、諸外国の法制では「発明」の定義を判例・学説に委ねる例が多いが、日本の特許法は2条1項において「発明」を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義している。以下この項では、この定義に基づいて解説する。 == 発明の定義 == ; 自然法則の利用 : 「自然法則」とは自然界において経験的に見出される法則をいう。たとえば、経済法則、商売の方法、ゲームのルール、占いの方法といったものについては、自然法則を利用しておらず、人為的な取り決めによって定められたものであるから、発明にはならない。ただし、いわゆるビジネス方法関連発明といわれる発明については、ハードウェア資源と協働したソフトウェアの処理方法が明示され、技術的な構成が記載されている場合に限って、保護の対象となる。 : 自然法則の利用については、「特許・実用新案審査基準第II部 第1章 産業上利用することができる発明」 に、詳しく解説がなされている。 ; 技術的思想 : 「技術は一定の目的を達成するための具体的手段であって実際に利用できるもので、技能とは異なって他人に伝達できる客観性を持つものである」(最高裁判所昭和52年10月13日第1小法廷判決・判例タイムズ335号265頁) ; 創作 : 「発明」は創作であるので、例えば新種の鉱物や生物を発見しても、その発見に対し特許を取得することはできない。ただし、鉱物や生物を精製して取り出される物質は特許されうる。また、既知の物質であっても、新規な性質を発見しこの性質をもっぱら利用するようなものは「用途発明」として認められる。例えば、すでに知られているDDT自身に対してもう特許は取れないが、(それまでに使用用途として発見されていなければ)「DDTを用いた殺虫方法」に対して特許を取る事は可能である。「発明」と「発見」の境界は、突き詰めて考えると曖昧であると指摘する研究者もいる。 ; 高度のもの : 「高度のもの」という部分は、実用新案法における「考案」の定義と区別するためのもので、実質的な意味はないと解される。 : 高度性と進歩性とを結びつけて考える説もあるが、どちらの立場をとっても実務上の影響はない。 特許を受けるためには、特許庁の審査において、特許査定(特許法51条)を得なければならない。審査を受けるには出願審査の請求(特許法48条の3)という手続が必要であり、特許出願後3年以内に出願審査を請求しないと出願を取り下げたものとみなされる。なお、出願審査の請求期間は、2001年9月30日以前の出願については、出願日から7年以内であった。また、特許出願後、1年6ヶ月が経過すると、その出願内容を公開することになっている(特許法64条)。ただし、防衛目的のためにする特許権及び技術上の知識の交流を容易にするための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定による例外がある。特許の有効期間は、特許査定後、特許として設定登録(特許法66条)されたときに始まり、原則として出願日から20年後に終わる(農薬取締法または医薬品医療機器等法に規定される特定の行政処分を受けた場合、最長5年間延長可能(特許法67条の2、特許法施行令2条))。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「日本の特許制度」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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