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防共協定(ぼうきょうきょうてい、)は、1936年(昭和11年)11月25日に日本とドイツの間で調印された共産「インターナショナル」ニ対スル協定を指す。締結当初は二国間協定である日独防共協定と呼ばれ、国際共産主義運動を指導するコミンテルンに対抗する共同防衛をうたっており〔NHK取材班, p17〕、後の日独伊三国を中心とした軍事同盟、いわゆる枢軸国形成の先駆けとなった。 1937年にイタリア王国が原署名国として加盟し、日独伊防共協定と呼ばれる三国間協定となり、1939年にはハンガリー王国と満州国、スペインが参加したことによって多国間協定となった。1941年には条約の改定が行われるとともにドイツ勢力圏にある複数の国家が加盟したが、枢軸国の崩壊とともに消滅した。 == 背景 == 1933年に国際連盟を脱退した日本では、国際的孤立を防ぐために同様に国際連盟から脱退したドイツ・イタリアと接近するべきという主張が日本陸軍内で唱えられていた。また、ソビエト連邦は両国にとって仮想敵であり、一方のソ連では1935年7月に開催された第7回コミンテルン大会で日独を敵と規定するなど、反ソビエトという点では両国の利害は一致していると考えられた。また駐独日本大使館付陸軍武官大島浩少将は、かつて日露戦争の際にビヨルケの密約によってロシア帝国とドイツ帝国の提携が成立しかけ、背後を気にする必要が無くなったロシアが兵を極東に差し向ける恐れがあった事例をひき、ユーラシアにおけるソビエト連邦とドイツの提携を断乎排除する必要があると唱えていた。 ドイツ側の対日接近論者の筆頭であったのは、総統アドルフ・ヒトラーの個人的信任を得ており、軍縮問題全権代表の地位にあったヨアヒム・フォン・リッベントロップであった。リッベントロップはこの協定を、イギリスを牽制するためのものとして準備していた。国家社会主義ドイツ労働者党には、外務全国指導者のアルフレート・ローゼンベルクがいたが、日独接近は英独関係に悪影響を及ぼすと考えて躊躇していた。ヒトラーはリッベントロップを将来の外相であると評価していたが、外相となるには「手柄を挙げることが必要」と考えていた。 一方でドイツ外務省は、日本が建国した満州国承認も行わず対日接近には消極的で、極東情勢に不干渉の立場をとっていた。外相コンスタンティン・フォン・ノイラートは「日本は我々になにも与えることができない」と評価していた。また第一次世界大戦で特に紛争があったわけでもないのに敵国側についた日本に悪印象を抱いていた。さらには、リッベントロップが外務次官の地位を要求していたにもかかわらず、外務省側ではこれを拒否するなど両者には強い敵対関係があった。このため11月26日の調印式にいたるまで、外務省はこの協定交渉を一切関知しようとしなかった。 またドイツ国防軍は伝統的に親中華民国路線であり、独自の中華民国支援路線をとっていた(中独合作)。 この複数の関係機関が独自に活動している状態は、ナチス外交の多頭制と、複数路線制を示すものであると指摘されている。リッベントロップは「リッベントロップ事務所」を設立し、対日交渉に臨んだ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「防共協定」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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