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明治天皇紀(めいじてんのうき)は、宮内省が勅旨を奉じて編修した明治天皇の伝記である。明治天皇や明治時代の歴史を研究するための基本文献として活用されている〔堀口(2006)。〕。 == 沿革 == 1914年(大正3年)11月30日、天皇の命令により、明治天皇紀を編修するため宮内省に臨時編修局(のち臨時帝室編修局に改称)を置く〔大正3年12月1日付官報 皇室令第22号、宮内省ニ臨時編修局ヲ置クノ件。大正5年11月6日付官報 皇室令第7号、臨時編修局ノ名称ヲ変更スルノ件。〕。当初の体制は、総裁が土方久元、副総裁が金子堅太郎、編修長が股野琢である。股野編修長は、近代の史学を殆ど知らない官僚出身の漢学者であり、天皇の言行を記録する程度の意識しかなかったという〔渡辺(1934)。〕。1915年(大正4年)制定の編修要綱では、天皇紀は明治天皇の言行録を編纂するものであって国史を編纂するものではない、と定められる。 この方針に反対する金子副総裁は1918年(大正7年)に土方総裁に意見書を提出し、 天皇は国を以て家とするため、天皇紀は天皇の伝記であるとともに治世中の大小の出来事を記録する国史でなければならないという自説を主張する。 同年、土方総裁が死去し、後を継いだ田中光顕が翌年辞職すると、総裁欠員のまま金子副総裁が特命により総裁職を摂行する(1922年(大正11年)に正式な総裁に昇格)。金子は自説の通りに編修方針を転換するように図り、1920年(大正9年)に天皇の裁可を得て、明治天皇紀編修綱領を定め、明治時代を叙述する国史として明治天皇紀を編修する方針を固める〔岩壁(2004)。〕。 1921年(大正10年)、股野に代わり竹越与三郎が編修官長に就任する。 竹越は、リベラルな文明史家として有名で、西園寺公望のブレインでもあった。西園寺が臨時帝室編修局の顧問であった関係で、その推薦により編修官長に就任したという。竹越編修官長は、明治天皇紀を世界史の観点から編修することを目指すが、スケールが大きすぎて完成の目処が立たず、早期完成を求める金子総裁と衝突して1926年(大正15年)に辞任する〔堀(2007)。〕。 竹越の後を継いで編修官長に就任した東京帝国大学名誉教授三上参次は、史料編纂掛の発展に尽力した実証的な歴史学者であり、編修官長就任前から昭和天皇に対して明治天皇の事績を進講し、宮中で高く評価されていた〔高橋(1995)。三上編修官長の御進講は明治天皇紀編修と並行して続けられる。〕。三上編修官長は、記述の範囲を縮小し背景的記述を簡略にして、出来るだけ速成することを方針に定める〔堀(2007)p666所引「明治天皇紀編修事業経過概略」。〕。史料の採集を進め、1930年(昭和5年)頃から本格的に執筆を始める〔堀(2007)注45所引、深谷博治の回想。〕。1933年(昭和8年)9月30日、完成した本紀250巻と画巻1巻を昭和天皇に奉呈し〔岩壁(2004)、堀口(2006)。〕、業務を終えた臨時帝室編修局を廃止する〔昭和8年9月30日付官報 皇室令第4号、宮内省ニ臨時帝室編修局ヲ置クノ件廃止。〕。 その後およそ1年間の残務整理を経て、 1934年(昭和9年)7月、明治天皇紀を縮約公刊するための公刊明治天皇御紀編修委員会を宮内省内に置く〔堀口(2006)註10。昭和9年7月2日付官報 彙報欄、公刊明治天皇御紀編修委員会設置。〕。公刊用の稿本は1939年(昭和14年)に大体完成し〔高橋(1995)p20。〕、 編修委員会も編修長以下の職制を廃止して事実上休眠するが〔昭和14年7月1日官報 彙報欄、公刊明治天皇御紀編修委員会規程中改正。〕、この時の稿本は未だ刊行されていない。 その後、明治天皇紀は長らく刊行されなかったが、政府の明治百年記念事業の一環として刊行されることになり、1968年(昭和43年)から1977年(昭和52年)にかけて全12巻と索引が刊行される〔堀口(2006)註1。〕。これは、かつて準備された公刊明治天皇御紀とは別物であり、昭和天皇に奉呈した本紀250巻をもとに宮内庁が校訂したものである。附図は2012年(平成24年)の明治天皇百年祭を機に刊行される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「明治天皇紀」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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