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明融本(みょうゆうぼん/めいゆうぼん)は、室町時代末期に冷泉為和の息子である冷泉明融らによって書写されたとされる源氏物語の写本である。「明融」の読みについては当初池田亀鑑によって「めいゆう」として紹介された。その後「みょうゆう」との読みが有力となったものの、やはり「めいゆう」とするべきではないかとの見方もある〔野村精一「源氏物語研究史の戦後(三) 本文を商品化するということ」實踐國文學会『實踐國文學』第54号、1998年(平成10年)10月15日、pp. 1-8。 〕 明融本のうちの8巻は藤原定家自筆本を忠実に写したとされる事から明融臨模本(みょうゆうりんもぼん)とも呼ばれ、定家自筆本に準ずる扱いをされる。 == 概要 == 明融本と呼ばれる源氏物語の写本には、2種類ある。一つは、池田亀鑑が「東京都内の著名ではないある古書店」で見いだし購入した〔山岸徳平「源氏物語の諸本」山岸徳平・岡一男監修『源氏物語講座 第8巻』有精堂出版、1972年(昭和47年)、pp. 1-68。 〕あるいは1951年(昭和26年)に柏林社書店の主人が池田の自宅に持ち込み池田は即決で購入した〔石田穣二「源氏物語(明融本)解題」〕もので現在は東海大学図書館桃園文庫に所蔵されている9帖であり、もう一つは同じ頃に松田武夫が入手しその後山岸徳平のものとなり、現在は実践女子大学山岸文庫の所蔵になっている44帖である。 この2種類の写本は表紙の体裁などが同じであり、かつ重複する巻が無いため、元は一揃いであったのではないかとする見方もあるが、確証はない。合わせると源氏物語全54帖のうち、第23帖の初音以外の全巻が揃う。 桃園文庫所蔵本のうち、桐壺、帚木、花宴、若菜上下、柏木、橋姫、浮舟の8巻については、藤原定家自筆本を字形・字詰・行数からミセケチ等の校訂の跡まですべてそのまま写したとされていることから明融臨模本とも呼ばれている。臨模本が忠実な写しであることは、臨模本と藤原定家の自筆本の両方が唯一残っている柏木巻において確認されている。このため、臨模本は青表紙本原本の再建にあたり、現在4帖だけ残っている定家の自筆本に次いで尊重されることが多い。 なお、桃園文庫所蔵本にはその他に「花散里」もあるが、これは臨模本ではない。 山岸徳平所蔵本(旧松田武夫蔵本)は44帖のうち、24帖が冷泉明融の書写とされている。この他に明融以外の者により書写された巻や書写者不明の巻もあるが、これらも含めて明融本と呼ばれている。この山岸徳平所蔵本には臨模本と思われる巻は含まれていない。現在は山岸徳平が学長を務めた実践女子大学の所蔵になっている〔横井孝「明融本『源氏物語』(実践女子大学蔵)」人間文化研究機構国文学研究資料館編『立川移転記念特別展示図録 源氏物語 千年のかがやき』思文閣出版、2008年(平成20年)10月、p. 97。 ISBN 978-4-7842-1437-2 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「明融本」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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