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『星を継ぐもの』(ほしをつぐもの、原題:''Inherit the Stars'')は、ジェイムズ・P・ホーガンによるSF小説。1977年に上梓されたホーガンのデビュー作である。日本では1981年第12回星雲賞海外長編賞を受賞している。 あり得ない現実と事実を突き付けられ、その謎を解き明かしつつ人類の生い立ちを解明していくハードSFの代表作のひとつ。作品発表当時に人類進化上の謎として知られていたミッシングリンクや、小惑星帯、月の起源、なかんずく月が表と裏で異なる様相を示す理由について、SFの視点から解釈を与えている。 続編に『ガニメデの優しい巨人』、『巨人たちの星』、『内なる宇宙』、『''Mission to Minerva''』(未訳)があり、「巨人たちの星シリーズ」と総称されている。日本語版はいずれも創元SF文庫に収められている。翻訳は池央耿による。 == あらすじ == 月面で真紅の宇宙服を着た人間の遺骸が発見された。この人物は何者なのか? 各国の組織に照会するも該当する行方不明者は居なかった。のみならずC14法による遺骸の年代測定では5万年前の結果が得られ、チャーリーと名付けられたこの人物の出自は全く謎であった。 その正体を探るために、物質を透過撮影できるトライマグニスコープが手配されると共に、その開発者であるヴィクター・ハントにも調査への参加が要請された。スコープを駆使して少しずつ齎された情報と数少ない所持品を元にあらゆる分野の学問を総動員した分析が始まった。だが、その指し示す事象は矛盾だらけだった。 所持品の中に現代技術を駆使しても造る事の出来ない超小型の原子力パワーパックが見つかり、使用されていた放射性物質の崩壊からも5万年前という値が裏付けられた。だが、こんな高度な技術が地球に存在した痕跡は無い。これに対し生物学者のクリス・ダンチェッカーは「彼」が間違いなくヒトであると断言し出身地は地球であると主張する。一方で、手帳と思われるものを透過撮影して浮かび上がった記号の解読は言語学者の協力を得ても困難を極めた。もしそれが文字なら内容は何を示しているのか。そして、カレンダーらしきものも見出されたが、現在の地球とは相容れない暦法から成り立っていた。携帯食料と思われるものの素材は水棲生物の様だが、その肉体構造は地球生物のものと根本的に異なり、とても地球産とは思われなかった。相矛盾する事象を整理し、数々の仮説が立てられ、謎が少しずつ解き明かされていくかに見えつつも、別の事実がその仮説を否定する。その繰り返しがいつまでも続き結論に行き着く見込みは立たなかった。果たして、チャーリーは一体何者なのか、どこから来たのか、何故、ここに居たのか、そしてどこに行こうとしていたのか? さらに木星の衛星ガニメデを訪れた探検隊が発見した驚異の物体が混迷の度を増した。直接現地に赴いてこれを目の当たりにしたハントやダンチェッカーらは更に深まる謎に悩まされるが、やがて、人類の生い立ち、そして、かつての太陽系の姿につき、一つのストーリーが形作られていく。 (以下『ガニメデの優しい巨人』に続く) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「星を継ぐもの」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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