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『春は馬車に乗って』(はるはばしゃにのって)は、横光利一の短編小説。作者本人の体験をもとに執筆された横光の代表的作品の一つである。病身に苦しむ妻と、妻を看護する夫との愛の修羅場と、その苦しみの後の融和と静寂の物語。湘南の海岸の自然や動植物、夫の心理描写の映像的な新感覚派の文体を織り交ぜながら、悲運に置かれた夫婦の葛藤と愛情が、会話文を多用した淡々とした趣きで描かれている。春の訪れる終章では、生と死との対比が詩的に表現され、愛する亡妻への鎮魂となっている〔井上謙『新潮日本文学アルバム44 横光利一』(新潮社、1994年)〕。 1926年(大正15年)、雑誌『女性』8月号に掲載され、翌年1927年(昭和2年)1月12日に改造社より単行本刊行された。文庫版は新潮文庫、岩波文庫などから刊行されている。翻訳版もDennis Keene訳(英題:Spring Riding in a Carriage)で行われている。 == 作品背景・モデル == 作中の「妻」は、横光利一と1919年(大正8年)に知り合い、1923年(大正12年)の関東大震災後から同居を始めた小島キミ(同人仲間・小島勗の妹)である。同居後キミは1925年(大正14年)6月に結核を発病し、翌年1926年(大正15年)6月24日に逗子の湘南サナトリウムで23歳の生涯をとじた。横光はキミの療養のため、菊池寛の紹介で葉山の森戸に家を借りていた〔。小島勗に反対され駆け落ち同然の同居であったため〔二人の同居には横光の旧友・佐藤一英の協力があったという。〕、二人は戸籍上婚姻しておらず、キミの死の1か月後の7月8日に入籍をした〔日置俊次「注解」(文庫版『機械・春は馬車に乗って』)(新潮文庫、1969年)〕〔保昌正夫「作品に即して」(文庫版『日輪・春は馬車に乗って 他八篇』)(岩波文庫、1981年)〕。 なお、亡妻を題材にした横光の小説は他に、『蛾はどこにでもいる』(1926年)と『花園の思想』(1927年)があり、「亡妻もの」の三部作とされている〔〔栗坪良樹「春は馬車に乗って 解説」(『短編の愉楽3―近代小説のなかの家族』)(有精堂出版、1991年)〕。『蛾はどこにでもいる』は、妻の没後から描かれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「春は馬車に乗って」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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