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曾弄 : ミニ英和和英辞書
曾弄[そう ろう]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [そう]
  1. (prt,pref) (1) once before 2. formerly 3. ever 4. former 5. ex- 6. (2) never (with negative verb)

曾弄 : ウィキペディア日本語版
曾弄[そう ろう]

曾 弄(そう ろう)は中国小説四大奇書の一つである『水滸伝』の登場人物。
第60回及び68回に登場する三千戸を抱える曾頭市の主で女真族の出身。五人の勇猛な息子達を中心とする豪傑達を従え、名を上げようと梁山泊併呑を目論んだ。
尚、作中では主に曾長者または曾長官と呼ばれ、敗色が濃厚になった後、梁山泊の仮の首領〔第68回時点での立場。因みに曾頭市が初登場する第60回時点では宋江は副首領の地位にあった〕宋江へ宛てた投降を申し出た手紙の中でのみ姓名が曾弄である事が確認できる。
== 生涯 ==
曾弄の通称曾長者の呼称が作中に初めて登場するのは、宋江率いる梁山泊軍が芒碭山を根城にする樊瑞を降し、梁山泊に凱旋した時、彼らの前に現れた段景住の発言の中の事である。段景住はかねてより梁山泊への入山を望み、その手土産にと大国の王子の乗馬である照夜玉獅子と言う名馬を盗み出したが、梁山泊に向かう途上で照夜玉獅子を曾頭市にて強奪されたと言う。その時、彼は曾家の者から只ならぬ言葉を聞き急いで梁山泊にその事を報せに来たのであった。
段景住が語るには曾頭市には主である曾長者を中心に、曾家の五虎と称す五人の腕自慢の息子達、長男曾塗、次男曾密、三男曾索、四男曾魁、五男曾昇があり、更に武芸師範の史文恭、副師範の蘇定を中心とする六、七千の軍勢を従えて要塞を構え、五十輌もの監車を作らせて梁山泊の頭領達を尽く生け捕りにして見せると豪語していると言う。更に強奪された照夜玉獅子は史文恭の乗馬とされ、梁山泊を愚弄する歌を作って町の子供達に歌わせていると聞いた首領であった晁蓋を激怒させた事から、曾頭市と梁山泊の最初の戦いは幕を開ける事となる。
梁山泊の対外戦争では主に宋江が晁蓋の名代として総大将を務めてきたが、今回の戦では晁蓋が強引に出陣を願い出たため、曾弄率いる曾頭市軍は梁山泊の首領晁蓋率いる軍と直接対決に望む事となる。緒戦では四男曾魁が林冲に一蹴されてしまうものの、翌日の合戦では曾家の五虎と史文恭、蘇定の両師範を押し出して互角の激闘を演じ、更に法華寺の僧侶を利用して晁蓋を誘き出すと史文恭率いる伏兵に毒矢を放たせ彼に致命傷を負わせる事に成功する。首領を討たれた梁山泊軍は脆くも潰走し、梁山泊へ帰還した晁蓋も矢傷が元で死亡した。
それから暫くの間梁山泊軍は北京や凌州との戦いに奔走し曾頭市との再戦は棚上げとなる。しかしその後、梁山泊の一員となっていた段景住が楊林石勇と共に北辺の地で二百頭の駿馬を買い求めた際、青州で郁保四と言う強盗に馬を奪い取られた上、その全てを曾頭市へと持って行ってしまったため、再び旧怨が再燃し晁蓋の敵討ちの意味合いも含めて、今度は宋江率いる軍勢が曾頭市へ出陣する事になる。一方で曾頭市側も先に梁山泊に敗退した凌州の敵討ちとばかり五つの陣地を構えて戦準備に余念が無く、史文恭の献策に従って落とし穴を掘り伏兵を配して梁山泊軍を待ち構えていた。しかし時遷の偵察で事前にそれを察知していた呉用によってその策は逆用され逆に多くの兵士達を失う破目になる。
更にその翌日は長男曾塗が軍勢を率いて梁山泊軍に戦いを挑み、呂方郭盛の二将を同時に相手取って圧倒する武勇を見せ付けるも、花栄の矢を左肘に受けて落馬した所を呂方、郭盛に突き殺されて非業の戦死を遂げてしまった。息子を失った曾弄は嘆き悲しむが、同じく兄を失って赫怒する五男の曾昇の奮戦で李逵を矢で負傷させ、史文恭も秦明を打ち破る豪勇の程を見せ付ける。しかしこの勝ちに勢い付いた史文恭の夜襲策が失敗し、却って三男の曾索が解珍に討ち取られてしまった所でいよいよ曾弄も弱気になり梁山泊側に降伏を願い出るが、最初の書面での申し出は晁蓋の仇討ちに燃える宋江に一蹴され、互いに人質を交換した交渉に於いても、青州、凌州から曾頭市へ援軍が向かっている事を察知した宋江と呉用に、人質に差し出した五男の曾昇と共に梁山泊軍の陣地に差し向けた郁保四を懐柔されてしまう。
呉用の策に従い隙を見て逃げた振りをして戻ってきた郁保四は青、凌二州の援軍来襲の報に梁山泊の陣営が浮き足立っていると史文恭に告げ、史文恭はその機に乗じて梁山泊軍の本陣に総攻撃を掛ける事を提案。人質となっている曾昇の身を案じる曾弄は初めこそ承諾しなかったが、敵陣を落とせば曾昇を救い出せるという史文恭の説得に折れ総攻撃の命令を下す。だが敵の本陣はもぬけの殻であり謀られたと悟った史文恭は慌てて退き返すものの、待ち伏せていた李逵や樊瑞らが率いる歩兵軍の襲撃に遭う。更に手薄となった曾頭市にも梁山泊軍が殺到し、負け戦に絶望した曾弄は自ら首を括って死に、次男の曾密は朱仝に討たれ、四男の曾魁と副師範の蘇定も乱軍の中戦死。史文恭のみ血路を開いて逃げ延びたが晁蓋の亡霊に行く手を遮られ盧俊義の手で捕縛されてしまう。人質となっていた曾昇始め曾一族は尽く処刑され、一族の財産も全てが略奪された。捕縛された史文恭は亡き晁蓋への手向けとして肝を抉り取られて惨殺され、曾頭市は完膚無き大敗を喫して滅ぼされたのである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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