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月形 那比古(つきがた なひこ 1923年(大正12年)5月22日 - 2006年(平成18年)8月16日)は、日本の陶芸家。鬼志野創始者、鬼志野宗家。昭和中期から平成初期にかけ、現代美濃陶芸界における志野焼黎明期~発展期~成熟期で活躍した日本を代表する陶工作家。「炎の陶工」「炎の陶人」「沙門の陶工」と言われた。代表作は陶芸の他に、絵画、書、彫刻、篆刻作品などにも秀作を手掛けた。志野焼誕生地の美濃・岐阜県土岐市にて没。享年84(満83歳没)。 == 略歴 == 1923年(大正12年)新潟県糸魚川市に生まれる。荒川豊蔵の作陶創作精神に傾倒。新潟県立長岡工業学校卒業後、早稲田大学在学中の1941年に学徒出陣、一年早く志願して第二次世界大戦(1939年~1945年。史上二度目の世界大戦)へ参戦。元陸軍技術将校。(最終階級は中尉)戦後復学し日本大学芸術学部卒業。志野は桃山時代に発祥、その後衰退し昭和中期に荒川豊蔵に再現されるまで、焼成方法など志野には不明な点が多かったが、永年の天命創作居住を美濃に構え、昭和30年代中頃に研究を基に半地下式穴窯を築き、薪を燃料とする独自焼成方法を発見研究、志野をさらに極端なまでの長時間焼成する火陶「鬼志野」を発表し、昭和陶芸界に衝撃を与えた。また1970年代には鬼志野作品がアメリカを中心とした海外にも紹介され、国際的に鬼志野がoni-shino、devil-shino、damon-shinoと紹介され、日本国内のみならず直接的、または間接的に海外の陶芸家などにも影響を与えた。 また得度及び出家し、一千日の托鉢修行から受けた禅の精神を反映させた作品群は「禅の陶芸」「禅陶」とも言われた。陶芸創作活動の他に並行して、絵画、映画、写真、建築、篆刻、書、彫刻、モダンバレーの舞台監督などにも、ジャンルを超えた多彩な創作の足跡を残したことでも知られている。主な受賞は文部大臣賞受賞。パリ芸術大賞受賞、現代文化賞など他多。美濃の陶工がパリで初めて単独個展をした先駆者として知られている。「炎の陶人」「東洋のピカソ」の異名を持つ。陶芸代表作に鬼志野、志野の他に、鬼黄瀬戸などの鬼シリーズがあり、彫刻代表作品は長野市善光寺(国宝の本堂で知られる)にある「善光寺御縁起・如来奉遷本田善光尊像」(本体高さ3メートル60センチ)など他。絵画代表作品は富士シリーズ、龍神(日大所蔵)など。書や篆刻作品には禅をテーマにした作品が多い。一貫した創作活動のテーマは「生存への畏敬」。彼のその風貌に圧倒される面があったり、マスメディアなどでイメージが先行する時もあったが、彼の長島茂雄風に良く似たしゃべり方から受ける印象は、実に人間味あふれる人物であった。2006年(平成18年)8月16日急性心筋梗塞にて急逝。享年84(満83歳没)。 ※文中にある「半地下式穴窯」の「穴窯(あながま)」は正式には「窖窯(あながま)」と書く。 ※桃山時代天正年間に志野は発祥し焼かれていたことから、美濃(岐阜県東美濃地方の多治見市から東にある市町村。東美濃なので正確には東濃地方と呼ぶ。)においては、半地下式穴窯のことを天正窯(平凡社陶器全集などで使用)という名称で使用したり、その窯の形状から半地上式単室穴窯、半地下式単室穴窯、と表記されるが、どれも間違いではない。 ※文中上段表記にあるdevil-shino、damon-shinoの表現は日本の「鬼」を表現するためのものであって、英単語が持つ意味ではない。現在は日本語名がそのまま英単語名詞としてoni-shinoないしonishinoと表記される。 ※愛陶家などで交わされる言葉である「美濃」は岐阜県美濃市のことではない。他の代表的伝統陶芸地では「備前」「信楽」「伊賀」「笠間」「益子」「常滑」「有田」「萩」と呼ばれても、そのまま市がつくのでわかりやすが、「美濃」という呼び方で指す市町村は岐阜県多治見市、土岐市、瑞浪市、可児市、(笠原町は多治見市に合併)のことを特にいうが、専門書などで広く指す場合には岐阜県瑞浪市以東である恵那市、中津川市や岐阜県可児市北部にある美濃加茂市やその周辺も指す。ただし正確に言うと可児市、美濃加茂市は中濃地方(地域)になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「月形那比古」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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